バレエの発表会をいかに黒字にするか
先日、知人が子どもを通わせているというバレエ教室の話題になりました。
発表会の開催が迫っているとのことですが、
生徒から月謝とは別の発表会参加費を徴収しているのにも関わらず、
どうやら赤字は必至の模様。
どうすれば発表会を黒字にしつつ、
かつ、先生と生徒が関係性を深めることができるかを考えてみました。
赤字は持続可能ではない
発表会ビジネスで利益を上げることができたのはもう昔の話なのでしょうか。
今のバレエ教室が手掛ける発表会は赤字になることも多いそう。
赤字でも発表会をしないと教室としての体裁に関わるのでしょうが、
そもそも利益を生み出せない事業は持続可能性が損なわれています。
先日、個人で運営している音楽教室のオーナーとお話しする機会がありました。
創業経験者としてインタビューをさせてもらったのですが、
オーナーには経営者としての自覚はあまりありません。
「昔からの教室の延長なので売り上げを増やすつもりはありません」
「途切れない程度に、どこかから生徒を紹介してもらえればそれで良いです」
といった言葉が続きます。
私が申し上げたのは教室ビジネスも商売であるということ。
真の強みを可視化して知ってもらうきっかけを作り、
集客し続ける必要があるのです。
いま在籍している生徒もいつかは必ず教室を離れます。
常に未来の生徒との接点を用意しておくことが、
教室の経営を安定したものにしてくれます。
そのためにも発表会をうまく利用すれば、収益と集客の一石二鳥が実現できるはず。
今の保護者と生徒に魅力的なコンテンツになるように変えるべきは変えればいいのです。
保護者に一方的に負担を押し付けるような運営や
利益を生み出せないことへのお金の支出は改めるべき。
どうすれば稼ぐ発表会へと生まれ変わり、
かつ、保護者や生徒により満足してもらえるようになるでしょうか。
発表会を黒字にするアイデア
バレエ教室が開催しようとしている発表会のチラシを見せてもらいました。
照明や演出に専門業者に関わってもらうものの、
その他すべては先生が差配するイベントのよう。
またチラシそのもののクオリティも素人レベル。
高い月謝に加えて発表会参加費も払っていると思うと
それなりに作りこまないとバレエ自体の質も疑われかねません。
私が思いついたアイデアはざっと以下のようなものです。
- 録りっぱなしの動画は無料で提供するが、先生による音声解説を加えたバージョンは有料で販売する。
- 最前列は1席5,000円で、2列目は3,000円、3列目は1,500円で販売する。4列目と5列目は運営の手伝いをしてくれた家族にだけ開放する。
※価格は適当です - 白黒のプログラム(進行表程度のもの)は無料でダウンロード可能にして配布するが、カラー印刷のプログラムは有料で限定数を販売する。出演する生徒の紹介や先生のコメントを掲載して、無料のプログラムと差別化を図る。
こういったアイデアが思い浮かんだのですが、
全国のバレエ教室では当たり前にされていることでしょうか。
特に動画の副音声付バージョンの販売などは面白そう。
私が保護者であったらぜひ購入したいところです。
これまで続いてきた発表会に変化をもたらすというのは
エネルギーが必要なことでしょう。
人間は本能的に変化を嫌うものなので
「有料と無料のプログラムを用意するなんてよくない」
だとか
「動画をコピーされたら困るから解説を入れるなんてとんでもない」
などと変化を嫌う人は考えるかもしれません。
でも変わり続けないことには事業を存続させることはできません。
守るべきは守り、その他のところは変化し続けないと現状維持すら覚束ないもの。
発表会を開催するということを優先するのであれば、
持続可能な事業にするために稼ぐモデルを確立することは必須。
顧客である保護者や生徒にもメリットを感じられるような仕組みを作り、
利益を積み上げることが成功のコツです。
教室ビジネスも商売
私は昨年10月から茶道教室に通っています。
教室であるからには生徒を確保するのが存続の大前提。
私の先生も新しい生徒をどう迎えようかと考えているのを伺ったことがあります。
「教室」というと先生が生徒に一方的に何かを教える関係が思い浮かびますが、
商売として考えると、先生が提供する価値を生徒が購入しているわけです。
となると、生徒が求める以上の価値を提供する必要がありますし、
競合である他の教室に無い価値を用意し、
さらにそのことを見込客に知ってもらい、選んでもらう必要があります。
教室ビジネスの成功に必要なのは商売の発想。
「昔からこうしていたから」
「新しいことを始めるのはなじまない」
などと言っていては生徒から選ばれない教室になってしまいます。
教室ビジネスを手掛けるならば、
保護者と生徒を顧客と考え、
顧客の期待を上回る価値を提供しましょう。
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