地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

士業マーケティング 食べていくために続けていること

2015年に家業の代表取締役を退任してから、
「食べていくこと」「食べさせていくこと」
を強く意識して生活しています。

最低保障を確保しておく

何があっても食べるのに困らないような資格を持っておくと
「いざとなったら○○をすれば良いのだ」
と考えられるようになります。
私の場合は社会保険労務士業ではなく、
バスの運転手がそれに当たります。
社会保険労務士という資格は今使っているものなので、
私にとってはセーフティネットにはなりません。

家業でサラリーマンをしていた当時に、
ふと思い立って取得したのが大型二種免許。
バスやタクシーの運転手をできる資格です。
元々、バスが好きだったこともあり、
将来のリスクを軽減させようと考え、
学生時代にも通った教習所で取っておきました。

すべてを保障してくれるわけではないのは百も承知ですが、
いざとなったときにバス運転手になれるというのは
精神的な負担を減らしてくれているのを強く感じます。
何よりバスが好きですから。

昨年から引っ越した地域ではバスを多用しています。
台風が来ても、年末年始でも運行してくれていることに感謝しつつ、
万一の際には私も彼ら彼女たちの仲間に入れてもらえたら良いなと今でも考えています。

売り上げの柱を複数、用意する

現在の私の売上の柱は
・顧問先からの報酬
・インキュベーション施設からの報酬
・講演等の報酬
の3つです。

心がけているのは特定の事業に寄りかからないようにすること。
どれか一つの事業だけに注力してしまうと、
その事業の売上がゼロになったときに経営が成り立ちません。
すなわち食べていくことができなくなってしまいます。

また、どれか特定の事業の売上が大きいからといって、
その他の事業の手を抜いているとバランスが損なわれます。
私は常に3つの事業が稼働し続けている状態を目指していて、
ある事業が好調であれば、
あえてその他の事業の拡張に意識を向けるようにしています。

幸い、昨年4月に自営業に移行してからは
仕事に恵まれながら事業を営むことができています。
どれか一つの事業からでも収入を得られればありがたいことではありますが、
一つだけでは事業の命運を特定の顧客に握られてしまうということになります。
経営の自由を担保するためにも売り上げの柱は複数必要です。

ある専門家とお話ししたときのことです。
行政関連の仕事に長くかかわっていたそうですが、
ある時、突然、契約更新を断られてしまったそうです。
業務委託契約を長年、更新し続けてきていて、
まだしばらくは受注できるだろうと思い込んでいたのに、
急に売り上げがゼロになってしまったと嘆いていました。
嘆いたところで契約を切られたからには次の仕事を作らねばなりません。
「こんなはずではなかった」
といつまでも言い続ける彼のようにはなりたくないなと思ってしまいました。

私からするとどんな契約でも、いつか必ず終わるものです。
契約を切られてから恨みつらみを述べても生産的ではありません。
いつか終わりを迎えるその前から準備をしておくことが必要で、
売上の柱は複数、育てておく必要があるのです。

逆に相手から契約を切られてしまう前に、
自分から卒業のタイミングを探るくらいの心がけでいたいものです。

3本の煙突

売上の柱は3本くらい用意したいものです

コストを抑える

持続可能な事務所経営を実現しようとするのであれば
無駄なコストを抑えることも重要です。

私が過去に無駄な出費をしたなと今でも後悔しているのが、
銀座にシェアードオフィスを借りたこと。
社会保険労務士として開業登録をするのであれば、
どこか都心に事務所を構えた方がよいだろうということで契約したのです。
結果は1年で解約。
事務所を借りたからといってそれだけで仕事が増えるわけではありませんでした。

士業が独立開業しようとすると真っ先に思い浮かぶのが事務所スペースでしょう。
雇われる立場から一国一城の主になろうとするのであれば、
事務所を借りたくなるのも当然のことです。

ただ冷静に考えるべきなのが「最初から必要なのか」ということ。
顧客リストも生み出せていないのに、
箱だけ用意したところで無駄な投資になりかねません。
毎月数万円の家賃を発生させるくらいであれば、
パソコンやプロフィール画像にお金を掛けた方がマシです。

もう一つ、大きなコストになるのが自動車。
地域によってはコンビニや郵便ポストに行くのにも自動車が必要ですが、
バスや地下鉄などの交通機関を使えるエリアに住んでいるのであれば
自動車を保有し続けるのかどうかは検討が必要です。
私は昨年4月からカーシェアリングを利用する生活に変えて身軽になりました。
もちろん、年間の維持費も消えました。

売上を増やすのと同時にコストを減らすことも必要。
手元に残すお金を増やすことが「食べられる」状態に直結します。


ポッドキャスト「茶わん屋の十四代目 商いラジオ」を毎週金曜日10:00に配信しています

amazon musicのバナー

Listen on Apple Podcasts

関連記事

TOP