中小企業支援家という仕事をしているせいか
私の周りには創業を検討している人が集まっています。
検討に時間を掛けるくらいであれば、
さっさと行動した方が良いというのが私の考えです。
乱暴な意見のようですが、
行動しないことにはすべてが始まらないのです。

「夢」があるだけで素晴らしい

今の日本を代表するような大企業であっても
最初は小さな一歩を踏み出して創業しています。
そう考えると今、創業を考えている人も同じで、
どんなに小さな一歩となろうが関係ありません。
その先にはあらゆる可能性が拡がっています。

私は創業を検討している人に対しては
「夢があるだけでも素晴らしいことです」
とお伝えするようにしています。

世の中には夢すら持てずに雇われる立場に甘んじている人が大勢います。
働けているならまだ良い方で、
その日の糧を得るのに汲々としている人も。
夢を持てているだけでも素晴らしいことなのです。

そう考えると、
創業を検討しているくらいなら、
さっさと具体的に行動した方が良いと思うのです。
人生は一度きり。１日は２４時間。１年は３６５日。
時間は有限なので行動した者から夢を実現することができます。

早く行動した方が良い理由は顧客リストを作るため

つい最近もここ数年、創業しようかどうしようか悩んでいた人から
近いうちに独立・開業する決心がついたと連絡がありました。
以前からさっさと行動した方が良いとアドバイスしていた人です。
コツコツと技術を身につけ、家族の理解も得ようと努めてきた人で、
ようやく、事業化への一歩を踏み出すことを決めたそうです。

私が創業しようとしている人に対し、
検討するくらいなら早く行動した方が良いと促すのには理由があります。
どうせ創業するのであれば、
できるだけ早くから顧客リストを作った方が有利。
自分の顧客を生み出し、育てる時間を確保するためにも、
迷っているくらいなら早く創業した方が良いと思うのです。

もちろん事業性が無い計画であれば創業はお勧めしません。
流行に乗っかっただけのフランチャイジーを目指す人や、
趣味のモノづくりを商売と勘違いしているような人にまで
闇雲に創業を後押しすることはしていません。

また、事業計画を作ることが目的になっているような人も
積極的に関わらないようにしています。
地に足をつけた商売をしようという覚悟がなく、
机上の空論をこねくり回すばかりで空虚なのです。

夢を実現するために創業すると決めているのであれば、
あれこれと理由を付けて先延ばしするのはもったいないこと。
勇気を持って一歩を踏み出した人から夢を実現していくのです。

最初は誰でも不安があるもので、失敗もあることでしょう。
躊躇して行動しないか、さっさと行動して道を歩み始めるか。
ほとんどの人が最初の一歩を踏み出さないのであれば、
一歩を踏み出すだけでも
他人が見ることのできない景色眺めることが可能になります。

士業の独立開業は試験前から始まっている

長年の友人が士業の資格取得を目指して勉強中です。
彼の場合は天性の営業センスがあるので、
資格試験さえクリアできれば顧客はすぐに集められることでしょう。
本人も意識せずに、試験勉強中にも関わらず、
見込客と関係性を構築するような行動を始めているようです。
こうした人であれば創業は究極の自己実現の手段となり得ます。

反対に士業の創業で苦労しがちなのが、
試験勉強モードから経営モードに切り替えられない人。
試験合格後も他の資格試験に手を出したり、
マニアックな知識を身につけようと勉強し続ける人は
いつまで経っても顧客を増やせずに事務所経営を安定させることができません。

士業のバッジは試験に合格したというだけの証。
重要なのはその後にどう価値を提供し続けるかです。

試験合格後に必要な行動は
独自の立ち位置を作り込むことと、見込客との関係性構築。
つまり、多くの競合の中から見込客に選んでもらえる仕組み作りです。
資格予備校で教えてもらえることではありませんし、
もちろん、試験勉強で得られる知見でもありません。
試験に合格したからといって商売の成功が保証されるわけではありません。
自分が創業者であることを自覚し、
地に足をつけた商売を始められた人から売上を増やしていくのです。

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