地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

地方中小企業の経営者と対話して学んだこと

中小企業支援家の仕事の醍醐味の一つは
多くの地方中小企業の経営者と対話できることです。
良くも悪くも彼ら彼女たちから多くのことを学ばせてもらっています。

すべての経営者がまっとうな経営をしているわけではない

まずネガティブな話から。
すべての経営者がまっとうな経営をしているわけではなく、
さらに人格的にも優れているわけでもありません。
率直なところ、どうしようもない人との出会いもありました。

ある経営者は創業してから10年以上、
実質的にほぼ売上ゼロが続いています。
資本金もその後に調達した資金も、ほぼ溶かしてしまっています。
私が率直にその状況を指摘し、廃業も選択肢に入れるように伝えると
面白くない意見だったようでお叱りを受けました。

ただその後も状況は悪化する一方で、
私が何かをお手伝いできる状況ではなくなりました。
事業性の有無は冷静に判断すべきこと。
自ら営む商売の事業性が失われていることを認めようとせずにしがみついても
迷惑をまき散らすだけでV字回復などはありません。
そもそもの「事業性」が無いのですから。

また、ある経営者に決算の説明をしてもらう機会がありました。
ところが、口頭で説明された内容とその後に提出された資料の数字が異なります。
その点を指摘すると気まずそうな顔をしてモゴモゴと言い訳をするばかり。
まさか資料の提出まで求められるとは思っていなかったようで、
事業を良く見せようとつい嘘をついてしまった模様です。

すべての事業者が順調に利益を生み出しているわけでもなく、
仮に赤字であるのであればそれだけの話なのに、
その場しのぎの嘘をついてしまうと経営者個人の信用を損なうことになります。
たった一つのささいな嘘であったとしても、損なわれた信用は永遠に回復しません。

結果を出す経営者はさっさと行動している

ある経営者は新規顧客を増やしたいと私のところへやってきました。
長く商売をしているが売上が減少し続けているとのこと。
一方で情報発信はまったくの手つかずで、
経営者の保有する技術の高さを伝えられていませんでした。
私から提案したのがSNSを利用した情報発信。
技術力の高さを視覚で訴える情報発信を始めるように促したのです。

すぐにアカウントを作り発信を始めた経営者。
当初から地道に更新し続けたところ、
私も驚くくらい早期に新規の問い合わせが増え始めました。
もちろん売上アップにも直結し、
今ではかつてのように忙しく日々を過ごしていると報告を受けています。

情報発信に限らず、私が何か知恵やアイデアを提供した際に、
すぐに行動できる人はかなり少ないです。
もちろんそのまま行動に至らないこともあります。
そのたびに歯がゆい思いをしているのですが、
知恵やアイデアを用いるかどうかは経営者が判断すべきことで
誰かが無理強いできることではありません。

一方でこの経営者のように、
結果を出す人は例外なく迅速に行動しています。
別の経営者などは私の話を半分ほど聞いたところで
「よし、わかった」といって会社に帰ってしまいました。
もちろん新規事業は成功し、本業よりも話題になっているとのこと。
経営者に必要なのは経営のタクトを振るうことで、
頭を悩ませ続けることではありません。

できる人はさっさと行動している。
まぎれもない真実です。

女性の耳

話を聞くのは大事

経営者の話を聞くのが仕事

中小企業支援家というと
経営者に一方的に話しているような印象をもたれるかもしれませんが、
私の様子を見ている人から言われたのは
「岡田さんってあんまり話さないですよね」という一言。
確かに私は経営者の話を聞くように心がけていて、
話を聞く前から何かを押し付けようと言葉を重ねることはありません。

家業の代表取締役を務めていた際、
銀行に紹介されたコンサルタントがやってきたことがあります。
その中で一部のコンサルタントと称する人は、
私の話をロクに聞こうともせずに上から目線で言葉を発してばかり。
そのような人とは対話が成り立つわけもなく、
お互いに大した成果を生み出すこともできずに時間とコストを無駄にしてしまいました。

こうした経営者としての苦い経験があるせいか、
まずは経営者の話をできるだけ丁寧に聞くように心がけています。
話すだけで何かが解決してしまう人もいますし、
もちろん私が知恵やアイデアを提供することもあります。

すべては経営者の話を聞くところから始める。
私が最も大事にしていることです。

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