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コラム

等身大の情報発信が何より強い

情報発信というとインスタ映えだとか、
キラキラとした見せ方を意識しがち。
ところが「知ってもらう」ことが目的の情報発信であるならば
背伸びは不要で、等身大の自分をさらけ出せば良いのです。

情報発信の目的は「知ってもらう」こと

地方中小企業や士業などに情報発信が必要な理由は
シンプルに「知ってもらう」ためです。
つまり、見込客との関係性構築の第一歩として自己開示をし、
初期的に関心を持ってもらうのが目的のはず。

この目的を忘れてしまうと、
表面上のフォロワー数ばかりを追い求めたり、
商品の仕様や価格を垂れ流すだけの発信に陥ってしまいがちです。

逆に言うと、
フォロワー数なんて少なくても構わず、
商品の仕様やスペックなど伝える必要もないのです。
見込客にさえ知ってもらえるのであれば。

必要なコンテンツは
自分たちが何者であって、
何を考えながら事業を営んでいて、
その背景にどのようなストーリーを抱えていて、
どのような価値を提供しようと試みているのか
といったものを伝えるものであるべき。

あるペット美容室のオーナーは
それまで躊躇していたスマホでの情報発信を始め、
人口の少ないエリアでの事業にも関わらず
多くの新規顧客を増やすことを実現しました。

どこに店を構えていようが、
確かな技術を顧客に提供することができ(これは大前提)、
その様子を地道に発信することで集客を可能にしたのです。
その発信内容は
きれいな女性が出てくるわけでもなく、
演技過剰なショート動画を利用しているわけでもありません。
施術したペットの様子を淡々と伝えるという地道なものです。

背伸びをした情報発信は続かない

本当の自分の姿を隠し、
背伸びをした情報発信は継続しません。
いずれ疲弊してしまうからです。

情報発信の肝はまず始め、そして継続すること。
継続できないような発信はそもそも意味がないのです。

私はこのブログとポッドキャストを運用していますが
何より心掛けているのは自分をそのままさらけ出すこと。
カタカナ語を多用してわかってもいないことをそれらしく書いたり、
ガツガツと声を張り上げるような話し方はしていません。
情報発信の目的を自分を知ってもらうことと定めているので、
自分をそのままさらけ出すように心掛けています。
どなたかに嫌われてしまえばそれまでのことで、
感性の合う見込客と出会うことができれば目標達成なのです。

という私も、Facebookページをあるプロジェクトで運用していた時は、
訪れた事業者と写真を撮ってアップロードし、
有力者がやってきたら一緒に写真を撮るといったことをしていました。
当時そうした発信を求められていたという事情もありますが、
今は逆効果にしかならないことを理解しています。

身長を測定する女性

背伸びしても無駄です

失敗体験をさらけ出せると強い

地方中小企業の経営に携わったことがある人ならば理解してもらえると思いますが、
事業を営むということは失敗と困難の連続です。
きれいなオフィスを構え、常にみんなが笑顔で過ごし、美味しいコーヒーを飲みながら、
そこそこに仕事していれば成長し続けていく事業なんてこの世の中には存在しません。

キラキラとした成功体験ほど怪しいものはなく、
実態はドロドロとした失敗を積み重ねて、
何とか利益を生み出していることがほとんどです。

であるならば、
等身大の情報発信でも過去の失敗体験をさらけ出せば良いのです。
見込客とのミスマッチを防ぐためには背伸びは逆効果。
過去の失敗を今にどう生かしているかを伝えることが、
何より正確に自分自身の現在地を伝えることになります。

私は江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡したことを隠していません。
つまり家業を倒産させているわけですが、
中小企業支援家の仕事をするためにも過去をさらけ出しています。
この経験が自分を知ってもらう何よりの道具になると信じているからです。

失敗体験をさらけ出すというと躊躇してしまうのが人の本能でしょう。
でも情報発信の本質、知ってもらうために自己開示するということに思いを巡らせば、
過去の失敗体験ほど今の自分を助けてくれるものはないはずです。

キラキラとした発信に憧れたりするのは無駄なこと。
フォロワー数なんて気にせず、等身大の情報発信を継続することが
見込客との関係性構築に何より貢献してくれることでしょう。


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