地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

士業マーケティング 報酬をしっかりいただくことが重要だと考えている

独立開業したのであれば、
成果に対して適正な報酬をいただくようにするのが大原則。
無償のボランティアなどをしていては
持続可能な事務所経営が実現できません。
対価対償をしっかりいただくのは当然のことです。

成果に対して適正な報酬をいただく

ある行政のプロジェクトに関わっていた時のこと。
契約更新について話し合っていた際に、
行政の管理職から
「岡田さんはお金で物事を判断したりしませんよね」
と言われてぞっとした経験があります。

契約更新の条件交渉にあたって、
まさか報酬の多寡を重視していないですよねというのが
発言の趣旨であったと理解しています。

行政のプロジェクトをあてがわれるのであれば、
ボランティアでも喜んで受けろというのでしょうか。
当の本人は特別職として多額の給料をもらっていました。
給料を返上して働いていたとは聞いていません。
民間出身者を起用する際には
安く買い叩かねば損とでもいうような発想です。

まったく悪意のなさそうな無邪気な発言でしたが、
私にとっては行政のプロジェクトから距離を置くことを決める遠因になりました。

行政のプロジェクトだろうが、
上場会社からの案件だろうが、
成果に対しては適正な報酬をいただく。
これが私の譲れない信条です。

報酬の設定を間違えるな

独立開業したのであれば、
自分の提供する商品・サービスにどのような値付けをするのも自由です。
まだ何者でも無い人にありがちなのが、
実績が無いからといって「安さ」を訴求してしまうこと。
自分で自分を「安物ですよ」と言っているようなもので、
一度、価格の安さを売りにしてしまうと
「安い士業」のレッテルは簡単に剥がすことができなくなります。

特定の市場を取りに行くために戦略的な価格設定を試みて、
結果、競合よりも安い単価になったのであれば問題ないのですが、
「まだ実績が無いから安くしないと申し訳ない」
「初めての業務だから安くしないと怖い」
「競合よりも高い価格設定をするのはちょっと」
などと理由にならない理由で価格を決めるのは間違いです。

士業の一番の商品は自分自身。
資格や法的知識が商品なのではありません。
つまり価格は自分自身に対して付けるもの。
どれだけの価値を顧客に提供しようとしているのかを考えれば、
最低賃金に近いような価格設定はあり得ないはずです。

私は社会保険労務士の看板を掲げていますが、
提供しているのは独自の立ち位置に基づく中小企業支援。
地方中小企業の経営者経験があって、
江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡した経験があり、
さらには多くの支援事例を持つ中小企業支援家など他にはいないはず。
これだけ希少?な存在なのだから報酬は安く設定していません。
ありがたいことに家族3人が食べていき、
少し余裕が生まれる程度には報酬をいただけています。

士業の「安さ」は正義ではなく、自分の価値を見つけられていないだけ。
自分の真の強みを見定めて、
競合がいなくなるように独自の要素を掛け合わせることで、
開業して間もなかったとしても、
適正な価格設定をすることが可能になります。

請求書のイメージ

今月から請求書のフォーマットを変えて、インボイス対応にしました

 

求められてもいない値引きをしない

ある関与先では価格改定をし単価を上げても、
受注数が減ることはなく、
増益を実現していると言います。

価格は一度下げてしまうと再度上げることは極めて困難。
求められてもいないのに値引きをしたり、
安易に値引き要請に応えてしまうのは避けたいところです。

ある事業者とお話ししていた時のことです。
新商品を販売開始したとのことで、
最初のうちは送料無料で販売しようとしていました。

私からは
「送料無料を目玉にすると、
送料を気にする顧客しか集まらなくなりますよ」
とお伝えしました。
そうした顧客はいずれ適正な送料を取ろうとすると
また別の送料無料商品を探して消えていくものです。

せっかくの新商品を売ろうとするのであれば、
訴求すべきは送料が無料であることではなく、
品質や世界観や背景の物語であるべきはず。
価格の安さを訴求すると
1円でも安いものを探す人ばかりが集まってしまいます。

特に士業事務所が提供する商品・サービスは無形のもの。
在庫リスクはありませんし、Amazonで買えるものでもありません。
顧客に対し価値を提供しているのであれば(これが大前提)、
堂々と見積書を提示し、報酬をいただけるような関係を作りましょう。


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