士業マーケティング 開業直後の顧客がいない時期をどのように過ごすか
社会保険労務士の岡先生から
「士業開業者でも著しく収入が少なければ基本手当受給可能」
という情報提供がなされています。
https://twitter.com/okayokay0214/status/1677543124036632576?s=46&t=24f38K3LaZP4BYfCSA7AOA
開業直後の顧客がまだいない時期や、
それなりに時間は経過しているのに満足な売上を作れていない時期に、
士業はどのように日々を過ごせば良いのでしょうか。
営業が何よりも重要
士業事務所の経営も商売です。
資格を取ったからといって
それだけで顧問契約を希望する見込客が現れるわけではありません。
営業活動をしないことにはすべてが始まらないのです。
開業したのであれば、営業が何よりも求められる行動です。
では具体的にどのような営業をすればいいのか。
最も下手な手は「顧問契約をしてください」と言って回ること。
この手の安直な売り込みは地方中小企業に相手にされることはありません。
逆に何よりも嫌われてしまう行動です。
顧客を増やしたいと考えるのであれば、
見込客を増やすのが先決。
そして見込客を増やすためにはまず自分を知ってもらうことに尽きます。
自分を知ってもらうためにできる行動は
・ホームページを開設してプロフィールを充実させる
・地域にプロフィール、ニュースレターをポスティングする
・PTA、公民館、経営者団体などに参加して熱心に活動する
といったことが考えられます。
まずホームページは必須。
営業活動をしていくと、
興味を持ってくれた人は必ず検索してきます。
その際の受け皿としてホームページが必要なのです。
ホームページの中でも充実させるべきなのはプロフィール。
法改正情報などを細々と更新しても意味は無くて、
どこのだれが事務所を開業しているのかを伝えるためにも
プロフィールページの情報量を多くするのが先決。
士業事務所の一番の商品は士業自身なので、
その人物像をしっかりと伝えてやる必要があるのです。
また、地域に根ざした事務所経営を行おうとするのであれば、
汗を流して知ってもらう行動を取るのも効果的です。
具体的にはプロフィールやニュースレターをポスティングする、
昔ながらのドブ板営業はぜひ試してもらいたい行動。
ここで気を付けなければいけないのが、
短絡的に料金表などをポスティングしてはいけません。
まだ何者でもない士業にお金を使うつもりなど無い人に
料金表などを知らせたところで逆効果です。
まず先に提供すべきは、自分が何者であるかを知ってもらうための情報。
プロフィールや人柄を伝える情報をセールス色の薄い資料にまとめ、
地道にポスティングしてみましょう。
ちなみに飛び込み営業はまったくお勧めしません。
挨拶回りであればOKなのですが、
相手の都合などお構いなしに押しかけて、
いきなり顧問契約を要求したところで嫌われるだけです。
最後に地域活動への参加も
自分を知ってもらうためには有効です。
人との繋がりを作り、
自分が何者で何をしているかを知ってもらうのです。
すぐに売上には繋がりませんが、
汗をかけばかいた分だけいつか必ず返ってくるものです。
先回り営業ができればなお良し
開業してから営業するのにはリスクがあります。
それまで会社勤めであれば、
しばらくは退職金などを食い潰すことを強いられます。
口座残高をにらみながら営業するのは精神的にもきついことでしょう。
こうした事態を防ぐためには、もし可能であれば、
開業前から営業してしまえば良いのです。
例えば、
試験勉強中から情報発信を始めておく
試験勉強中から地域との繋がりを意識して作り始める
在職中に副業やボランティアで業務を手掛ける
といったことが考えられます。
開業してから一か八かで動き出すのではなく、
開業後の苦労をできるだけ減らすために先回り営業するのです。
知人が某資格試験の勉強中ですが、
聞くところによると地域との繋がりを熱心に作っています。
元々、営業スキルの高い人だったので、
意識して先回り営業している感覚はまったくなさそうで、
自然と自分の周りの人々と関係性を構築しています。
試験には何回か挑戦して苦い思いも味わっているようですが、
合格した後にはさっさと商売を軌道に乗せるのだろうなと思っています。
経営者が避けなければいけないことの1つが
「後手に回ること」だと思っています。
営業も後手に回ってしまうと資金繰りに窮することになりかねません。
もし可能であれば、
開業前から営業できてしまえば非常に心強いことです。
反対に避けなければいけない行動
顧客が満足にいないからといって、
他の資格試験に手を出したり、
士業向けの高額セミナーに参加し続けたりするのは下手な行動です。
資格試験はもう終わっているはず。
勉強に逃げたところで顧客は増えません。
営業しないことには商売を軌道に乗せることはできないのです。
もう一つ、よく聞くのが、
会務に注力してしまう人です。
会務を否定するつもりは全くありません。
同業者の繋がりを強固にし、業界の発言力を増すことは
回り回って社会に価値を提供できることに繋がります。
ただし、
まだ事務所経営が軌道に乗っていない、
顧客が満足にいないような士業は会務に手を出すべきではないでしょう。
事務局の事務担当に手を上げたり、なんとか委員会に名を連ねたり。
後から後悔している士業を何人かお見かけしたことがあります。
まだ何者でも無い士業が会務に時間を使うのは本末転倒です。
まずは自分の顧客を増やして事務所経営を持続可能な状態にすること。
その上で関心があるならば会務に取り組み、業界に貢献すれば良いのです。
士業事務所の経営も立派な商売。
開業直後にまだ十分な顧客がいない士業に求められるのは
突き詰めれば、営業活動です。
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