記録に残しておいて役に立ったこと
日記をつけているわけではありませんが、
その時々で記録を残すようにしています。
どのような記録が後で役に立ったかを書いてみます。
家業を事業譲渡した過程
家業の代表取締役を務めていた際、
最後の年だけ日記のように記録をつけていました。
初めはメイン銀行に出向いておこなったキックオフミーティング。
外部の資本を入れることについて会社とメイン銀行との間で合意し、
スポンサー探しを始めた最初の日のことです。
例えば9年前の今日7月4日の記録には以下のように書かれています。
2014/7/4電話会議。先日リストアップされた16社に関する情報共有と、当社からの提案2社へのアプローチ方法の確認。初期資料に載せる計数計画について打ち合わせ。契約書の文言の調整。夕方、りそな銀行の新旧本部長が挨拶にきた。がんばりましょう、と一言。
こうした記録を残そうと思ったのに特に理由は無く、
「通常の業務ではないからメモでも残しておくか」
といった軽い気持ちで始めたもの。
後日、思わぬ形で役に立ったのは、
家業を投資ファンドに事業譲渡するに至った経緯を
日経BP社から取材を受けた際のことです。
事実関係を確認するときに貴重な資料となりました。
もしこの日記をつけていなければ、
事業譲渡に至る経緯を客観的に振り返ることはできませんでした。
その後、講演でお話ししたりできるようになったのも
当時の自分の気持ちも含めて記録していたこの記録があったから。
江戸時代から続く家業を畳むという情けない経験を、
せめて現役の経営者のお役に立ててもらおうとお話ししています。
また事業譲渡に至る経緯をまとめた記事は転職の際にも役立ちました。
自分を知ってもらうための資料として添付し、
後に聞いたところによると面接官も参考にしてくれたとのこと。
すべての出発点は何の気なしに始めた記録でした。
後に重要な役割を果たしてくれることになるとは、
当時まったく想像せずに記録していました。
日々の行動記録
ほとんどの記録はiPhoneのメモアプリを利用していますが、
紙の手帳も持ち歩いています。
ほぼ日手帳Weeksです。
この手帳に記録しているのは行動記録。
何時に家を出て、どこで食事をして、何時に帰宅したかといったもの。
殴り書きですし、時間もざっくり。
家業の社長に就任してから記録し続けているもので
地方自治体の外郭団体に勤務している5年間も継続して書いていました。
行動記録がどんな役に立つかというと、
トラブルに巻き込まれないための予防策です。
いつ誰と会っていたか、何時から何時まで仕事をしていたかというのは
自分で書いたメモであっても重要な資料となります。
地域で目立つ存在になると足を引っ張ろうとする人も現れるわけで、
思わぬ時に自分のメモに助けられたことがあります。
また例えば雇われる立場の人であれば、
タイムカードや出勤簿とは別に出退勤の時間を記録しておくのは有効です。
残業代の未払いなどを防ぐためにも
日々の行動記録は後から身を守ることに繋がります。
地方中小企業の経営者はトラブルに巻き込まれやすいもの。
私は経験がありませんが、
いつどこで取得した領収書なのかなど、
後から証明する必要も起こり得ます。
その際に行動記録があれば、容易に振り返ることが可能になります。
茶道教室のお稽古日記
昨年10月から通っている茶道教室で
毎回どんなことを習っているかをiPhoneにメモしています。
半年過ぎてまだまだ大きな進歩を感じられませんが、
同じミスを繰り返さないようにするためにも振り返りは重要。
最初の頃は見逃してもらっていたことも、
この頃では細かく指導されることもあります。
そうしたことを記録しておくと日々のお稽古がくっきりと記憶に残ります。
同じように練習の記録をつけていたのが、
高校ボート部でのミーティングノートです。
毎回どんな練習をしたかと、各自のコメントを記録していたもの。
だらだらと練習をして21時近くにミーティングという名の反省会をしていました。
今は私が預かっていて、
いつかみんなで読み返しながら飲み会をしたら面白そうです。
人は自分にとって都合の良いことばかり記憶したがるものです。
実際には失敗やみっともない思いもたくさん経てきているはず。
生々しい記録を付けるのは時に苦しい感情も伴いますが、
後日、必ず役に立ちます。
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