士業マーケティング 見込客リストの作り方
開業後の士業に必要なのは見込客を増やし続けること。
既存顧客はいつか必ず離脱するので、
その時に備えて見込客リストを作っておく必要があるのです。
情報発信して潜在的な見込客を作る
見込客リストを作るというと、
・セミナーを開催して個人情報を取得しておく
・メルマガ会員を増やしてメールアドレスを取得しておく
といった方法が真っ先に思い浮かびます。
確かに物理的なリストを作るのにはこれらの方法が有効でしょう。
ただし、将来の顧問先と早めに関係性を構築しておくというのが目的であるならば、
必ずしも物理的なリストに拘る必要はないはずです。
手元に名前や連絡先は残らないとしても、
自分のことを知ってくれている人を増やしておけば良いのです。
一番手っ取り早いのが情報発信。
自分が何者で、どんな経歴があって、何の業務を提供することができるのか。
さらにはどんなことを考えていて、どんな人柄であるのか。
こうした「知ってもらうための情報」を伝え続けることで、
関心を持ってくれる人を増やしておけば、見込客リストを保有しているのと同じことです。
情報発信は自己顕示欲や承認欲求を満たすのが目的ではありません。
まだ顔も名前も知らない見込客と関係性を築き、
将来のご縁をいただくための種まきの作業なのです。
今どきはスマホがあればあらゆる手段で情報発信が可能。
自分が得意な媒体ですぐにでも始めることができます。
情報発信で大事なのはまず始めること、そして継続することです。
残念ながら多くの士業は情報発信を始めることすらできていません。
逆から見れば、始めるだけで多くの競合と差を付けることが可能な状態なのです。
さらに言うと、残念ながら情報発信を継続できている人はさらに減ります。
ブログを立ち上げたけれど数回の更新だけで止まってしまっていたり、
Youtubeに動画をアップロードしたけれど10回も続かずに終わってしまったり。
それぞれの事情があるのでしょうが、
継続しないことには知ってもらうことはできません。
繰り返しますが、
情報発信はまず始めて、継続することさえできれば、
それだけで独自の立ち位置を築くことが可能です。
そしてその独自の立ち位置に共感してくれる人を増やすことができれば、
それはつまり見込客リストを作ったことと同じ。
いつか商品やサービスを選んでくれる顧客に育てることが可能になります。
顧問先に見込客を紹介してもらう仕組みを作る
同じような考え方で、
自分で見込客リストを保有しなくても
既存顧客のネットワークから見込客となっていただくことも可能です。
つまり、紹介です。
既存顧客に全力で商品やサービスを提供するのは当たり前のことです。
目の前の顧客に価値を感じてもらうことが最も重要で、
既存顧客をおろそかにして新規を求めるのは本末転倒。
ただその既存顧客から自然と見込客を紹介してもらえるようになったとしたら。
先日も顧問先の経営者から電話があり、
その場で他の経営者を紹介してもらえました。
「コンサルタントを探している人が目の前にいるから話を聞いてやって」
とのことでした。
既存顧客と関係性を構築しているからこそ紹介は発生するわけで、
闇雲に飛び込み営業するなどよりもはるかに効率の良い営業活動です。
ただし注意しなければいけないのが
こちらから「新しいお客さんを紹介してください」としつこく話さないこと。
何かの節目でお願いするのは良いことですが、
普段からこればかりを伝えていると安っぽい営業をしているように受け取られてしまいます。
私の場合は何か顧問先の無理を聞いてあげた時に、
かつ、こちらが見込客を紹介してほしいタイミングの時にだけお願いするようにしています。
コンテンツを出し惜しみしない無料セミナーは強い
以前に私が試した方法で効果があったのは無料セミナーの開催です。
障害年金を自分で請求するためのノウハウをテーマに
就労移行支援施設などにDMを発信し、無料セミナーを開催したいと提案しました。
反応率はかなり高く、
短い期間の活動でしたが多くの施設で講演させてもらうことができました。
当時は見込客を作るためではなく、
純粋にボランティアをさせてもらおうというつもりだったのですが、
結果、何人かの方から業務を受注することに繋がりました。
この時、仕事に繋がった要因を自分なりに考えてみると、
コンテンツを出し惜しみしなかったことがよかったのだと思います。
いかにも思わせぶりに「ここから先は有料での対応です」などとは言わず、
当時の私が知りうる限りの知識をすべてセミナーで提供しました。
結果、仕事を任せたいと思ってもらえるように至ったわけです。
情報発信にしても、無料セミナーにしても、
見込み客を増やそうと思うのであれば自分をさらけ出す必要があります。
消費者は買い物を失敗することを何より恐れます。
無駄な買い物にはなりませんよと積極的に自己開示することが
何かのきっかけで連絡をいただけることに繋がります。
士業事務所の持続的な経営に見込客との関係性構築は不可欠です。
開業したばかりであっても、多くの既存顧客を抱えていたとしても
常に見込客リストを増やす努力が求められます。
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