情報発信できない地方中小企業への処方箋
知ってもらうための情報発信をしなくてはいけないと思いつつも
最初の一歩を踏み出さない人がなんと多いことか。
先日も一年以上、情報発信をためらっている経営者と話す機会がありました。
情報発信しない理由らしきものは理由にならないことがほとんど
ある経営者は日々の業務が忙しく、
情報発信はまったくの手つかずです。
一方で売上を増やす必要には迫られています。
私が提案したのはあるコンテンツを記事化すること。
具体的にはホームページ内のブログへの投稿という体裁で
見込み客に刺さる記事を増やしていこうというものです。
以前から情報発信の必要性は説いているものの、
なかなか最初の一歩を踏み出すことはありません。
今回こそは取り組み始めてくれそうで期待しているところです。
別の関与先経営者から、
情報発信に対するハードルらしきものを聞き出してみると
「当たり前のことを発信して意味があるのか」
「あの従業員なら書けると思うが、、、」
「コロナが収まり、既存顧客に会いに行けるようになったから、
情報発信などしなくても大丈夫だと思う」
といった言葉が出てきました。
それぞれ私なりに解釈してみると
まず発信内容について見込み客目線での検討ができていません。
発信するコンテンツが日々の業務に関連する以上、
自分たちにとっては「当たり前」の内容になるのは当然です。
大事なのは、そのコンテンツが見込み客にとって刺さる内容であるかどうか。
地方中小企業が情報発信を始めようとするのであれば
最初は経営者が自分で手を動かすのをお勧めしています。
最初から従業員に丸投げしてしまうと
どのようなイメージで取り組めばよいのかわからない従業員は困惑するだけ。
ある程度軌道に乗るまでは経営者が汗をかいて行動し、
その後、従業員に引き継げばよいのです。
また、通常の営業活動をしているからといって、
情報発信をしないのはもったいない話です。
そもそも本来の「営業」活動ができているかどうかはさておき、
情報発信したコンテンツが蓄積されればそれは資産となっていきます。
蓄積されたコンテンツは安易に競合が真似できないものですし、
何より半永久的に見込み客に情報を提供し続けてくれます。
対面の営業は特定の人と特定の機会に対話できるのみ。
そう考えると情報発信は効率の良い営業活動とも考えられます。
さらに良くあるのが情報発信を任せられる従業員が限られるなどという言い訳。
「そういうのに詳しい従業員はうちにはいない」
「記事にクレームがあった場合にどう対応すればよいか」
「会社スマホを支給していないので仕事に使わせるわけにはいかない」
といった経営者の後ろ向きな発言が出てくる会社は
そもそも会社の雰囲気も澱んでいることが多いです。
検討する前にさっさと始めた者からメリットを享受できるのが情報発信
あれこれと思い悩んでいる間に
あっという間に時間は過ぎ去っていきます。
検討しているくらいならさっさと情報発信を始めるべき。
最初のうちは試行錯誤が必要なのは当然で
会社なりのペースをつかんでノウハウを確立するのには時間がかかります。
できない理由ばかりを思い浮かべているくらいなら
さっさと始めて失敗を積み重ねればいいのです。
ある顧問先では最初の一歩を踏み出すのには時間がかかりましたが、
ペースを掴んで商売の縁が広がり出すと止まることはありません。
情報発信のささやかな効果を実感してからは
当たり前のように経営者自らが更新を続けています。
また私自身も同じ。
ブログを毎日更新し始めた当初は苦行のように感じる時もあったものの、
その後、仕事につながることがわかってからは
毎日時間をかけて、この頃では1700字以上の記事を書き続けています。
私のように無形の商品を取り扱っている者にとっては
自分が何者でどんなことを考えているかを伝えないことには
見込み客から選ばれることはありません。
毎日歯磨きをするのが当たり前のようにブログも更新し続けています。
情報発信したコンテンツは他にも流用できる
情報発信をためらう経営者に多い思考が、
「わざわざ手間をかけて発信してどれだけの効果があるのか」
ということ。
確かに最初の1記事を投稿したからといって問い合わせが殺到することはありませんし、
まず画像1枚を投稿したからといって何かが変わることも(ほぼ)ありません。
情報発信の効果が出始めるのは数ヶ月後からで
思うように成長するまでにはそれなりの時間がかかります。
ただし、自社で用意したコンテンツは
特定の媒体のみに使用するだけでなく、他媒体に流用することが可能です。
ブログで記事化したコンテンツをニュースレターに転用する、
評判の良かった画像をサンクスレターに流用する、
SNSで得られたコメントを(許可を得た上で)販促に使う、
といった横展開が可能になります。
もちろん、動画、ポッドキャスト、配信等を有機的に組み合わせることもできます。
見込み客と関係性を構築するための情報発信はすぐにでも始めるべき。
地方中小企業が知ってもらうためには自己開示が必要なのです。
ほとんどの競合が満足に情報発信できていないからこそ、
始めればそれだけでまずは一歩リードすることができます。
さらに継続することができれば、
競合が安易に真似することのできない独自の立ち位置を築くことが可能になります。
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