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コラム

過去の失敗事例を思い浮かべてみる

過去の失敗事例から学べることは多くあるはず。
私も多くの失敗を積み重ねてきました。

百貨店で販売員をしていたころの失敗事例

百貨店の売り場で販売員をしていた時のことです。
あるお客様がセット商品を単品で買いたいとのご希望でした。
他社商品ということもあり、
「バラでよろしいですね?」と何回か確認して接客。
その場は何もなく終了しました。

ところが一時間もしないうちに百貨店の社員が飛んできました。
先ほど接客したお客様から
「セット商品を単品で購入しようとしたら
しつこく確認されて不愉快な気分になった」
とお叱りの電話があったというのです。

百貨店の社員からも
「接客の時にしつこく確認しないように気を付けて」
と注意されてなんだかなぁと思いましたが、
私の対応でお客様に不快な感情を呼び起こしてしまったことは事実。
その後の接客に生かすことにしました。

法人外商をしていたころの失敗事例

法人外商の営業担当をしていた時にもクレームを出してしまいました。
私の生産管理が行き届かず、
納入先の品質基準を満たさずにお叱りを受けたのです。

あるキャンペーンの景品として土鍋を納品することに。
オリジナル商品なのでゼロからメーカーに生産してもらいました。
信頼している取引先なので「今回は楽な案件だった」と考えていたくらいです。

ところが納品後に大手広告代理店の担当者から
「持ち手の内側がギザギザしていて安全上の問題がある」
と連絡が入り、頭が真っ白になりました。
生産を依頼していたのが懇意のメーカーなので、
すっかり油断していた私は生産管理を怠っていたのです。

あわてて先方に出向いて商品を確認すると、
確かに危険を感じるほどのバリが生じていました。
もちろん全数を生産し直して、報告書も作成することに。

広告代理店から帰してもらえずに怖い思いをしたのは
今でもたまに冷や汗をかくような記憶の一つです。

行政の事業相談窓口での失敗事例

行政の事業相談窓口で仕事を始めてまだ間もない頃。
ある人が創業に必要な手続きを教えてほしいといらっしゃいました。

こうした相談の際にはある書籍をお教えして、
漏れの無いように手続きすることをお勧めしています。
この時もその本をお見せしながらどんな手続きがあるかを説明し、
特に何事もなく帰って行きました。

ところが後日、行政の担当者と会った時のこと。
その時の相談者からクレームの連絡があったというのです。
「聞きたかった手続き内容を教えてもらえなかった」と。
おそらく手取り足取り、どんな書類があって、
どのように記載すれば良いかを教えてもらいたかったのでしょう。

私の
「自分で調べられることは自分で調べましょう、参考となる本はお教えします」
という姿勢がお気に召さなかった模様でした。

今でも私は、
ネットで調べればわかることを聞こうとする人に対しては、
自分で調べられる範囲で調べるように促しています。
その労力を惜しむようでは商売の成功が覚束ないと考えているから。
そのスタンスに変わりはありませんが、
世の中には様々な人がいるのを前提に対応するよう心掛けています。

家業の代表取締役を務めていたときの失敗事例

父から事業承継したのが2010年6月。
最初の仕事は取締役会の構成を考えることでした。
父からメンバーを指名してもらっても良かったのですが、
私が好きに決めて良いとのこと。
3人の取締役を新たに選ばせてもらいました。

その時、ある古参幹部がへそを曲げてしまうという事態に陥りました。
私に重用されると思い込んでいたらしく、
取締役に選ばれなかったことに不満を抱かれてしまいました。
その後は最後までへそを曲げっぱなしで、
前向きに仕事に取り組むことなく、社内で腫れ物扱いされていました。

経営者が従業員全員に好かれることなど無理な話ですが、
少なくとも戦力として稼働してもらえるように、
うまく関係性を構築できなかったものかと今でも悔やまれます。

紙を破ろうとする人

失敗事例から学びを得ましょう

成功事例よりも失敗事例から学べることの方が多い

このように私の社会人人生は失敗ばかりです。
同じように世の中には失敗事例が溢れているはず。
しかしSNSなどを眺めていると成功事例ばかりが目につきます。

地方中小企業の経営者をしていた時には
「踏んではいけない地雷」の在処を知りたいと思っていました。
安直な成功体験らしきものから学ぼうとするよりも、
他の人がすでに失敗してくれた事例からの学びの方が
地方中小企業の経営に直接的に生かすことができると考えているからです。

こうして自分の失敗体験をたまに思い返すのも有意義。
当時のヒヤッとした感覚を忘れずに
今の仕事にも生かしていきたいと思います。

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