地方中小企業の経営者が新聞を読み続けるメリット
2010年頃から日本経済新聞を読み続けています。
2017年からは日経MJと日経産業新聞も。
新聞を読み続けるメリットについて考えてみます。
経営者に必要な教養としての日本経済新聞
私の新聞の読み方は、
朝のうちに日本経済新聞を読んで、
夕方以降に残りの2紙を読み終えるようにしています。
平均すると少なくとも毎日1時間以上読んでいるでしょうか。
それだけの時間を費やすことに価値があるかどうかと聞かれれば、
もちろん価値はあると考えています。
家業の代表取締役を務めていた際に
銀行から紹介されたコンサルタントと話す機会がありました。
年下の私にいろいろとアドバイスをくれたことがあり、
その一つに「日本経済新聞は読んでおいた方がいいですよ」
というものがありました。
経営者であるからには自社のことだけを見るのではなく、
視野を広く持つために積極的に情報を取りなさいという趣旨。
当時すでに私は購読していたわけですが、
経営者に必須の「教養」として日本経済新聞が位置づけられていると知りました。
その後、中小企業支援家に転身した私は
地方の多くの経営者とお話しすることが仕事になりました。
売上アップのための知恵とアイデアを提供するのですが、
事業の状況をお伺いしたり、将来の夢を話してもらおうと対話していると、
どうやら多くの経営者が新聞を読んでいないことに気付きました。
中には「スマートニュースで十分」と言う方も。
このことに気付いてからは
「こんな記事が新聞に出ていましたよ」
などと概要を情報提供することで関係性を築く道具にも使っていました。
地道なコミュニケーションですが思いの外に好評で、
地域の事業者からの信頼を得るための一助になりました。
テレビやスマホからでも情報は得られます。
ただ、社説のある新聞からの情報は
地方中小企業の経営者に必要な一定程度の信頼性が担保されているはず。
特に日本経済新聞は経営者にとっては「共通言語」といっても良いかもしれません。
「今朝の日経にこんな記事が書いてありましたね」
「今月の私の履歴書はあの人ですね」
などとコミュニケーションの道具にもなり得ます。
「書く」ために必要な情報の仕入ができる
このブログを毎日更新するようになってからは、
記事のネタを探すのにも役立っています。
また、月一回は気になった新聞記事について書くようにしています。
記事を要約したり単純に紹介するのではなく、
こうして記事に自分なりのコメントを付けています。
情報発信の目的の一つが
「自分が何者であるのか」を知ってもらうことであるならば、
どのように記事を解釈しているかを書くことも有効なはず。
月1回の恒例の記事になりつつあり、
ブログだけでなくメルマガにも流用しています。
電子版で便利なのが記事を保存できること。
iPadで読みながら後で参考になりそうな記事を保存しています。
集中して読めている時は毎日2,3記事を保存する感じで、
体調が悪かったり予定が詰まっている時などはゼロのことも。
紙の新聞を届けてもらっていた時はA4のノートにスクラップしていましたが、
iPad上で保存ができるようになったので、
ハサミとノリを使う作業は不要になりました。
その後の利活用もしやすく手放せない機能です。
「認知」の範囲の外を探索する
人や組織は認知に限界があるから、本当はこの世に自社にとって有用な選択肢が多くあるにもかかわらず、その大部分を認識できない。
との記載があります。
私が日経MJと日経産業新聞を購読している理由は
まさに認知の範囲外を探索するためです。
日本経済新聞を読むだけでも一苦労なのに、
さらに2紙も目を通すなんて大変な作業です。
ましてや京都の茶わん屋や中小企業支援に
直接の関わりがある記事などほとんどありません。
あえて専門外の情報を取り入れようとすることで
「有用な選択肢」に気付けるようになりたいのです。
中小企業支援に携わっていると
様々な業種の企業から相談を受けることになります。
自分がかつて関わっていた家庭用品に関係ない業種ばかり。
「茶わん屋だったので⚪︎⚪︎業界のことは知りません」
などと言うことは許されません。
投げられた球をすべて打ち返す必要があるのです。
そのためにも毎日、新聞に目を通して、
「認知」の範囲の外を探索するように心掛けています。
関連記事