士業マーケティング 家業の茶わん屋で法人営業をしていた私が飛び込み営業をお勧めしない理由
営業の方法にはいくつも種類がありますが、
飛び込み営業だけは避けた方が良いと思っています。
アポイントメントなしに相手を訪問し、
いきなりセールストークを展開する飛び込み営業。
なぜお勧めしないのかを書いてみます。
相手の時間を搾取する飛び込み営業は嫌われる
飛び込み営業が嫌われる理由は
相手の時間を搾取しているからです。
営業を受ける立場からすると
・アポイントメント無しなのに面会を強要される
・関係性もないのにいきなりセールストークを展開される
・どこの誰だかも判らないのに名刺交換を強いられる
・急な対応を余儀なくされ、仕事の手が止まる
・断ることに対して気まずい思いが残る
と負の感情ばかりが積み重なります。
自社の商品・サービスを選んでもらうはずの飛び込み営業が
まったく逆の効果を生み出しているということ。
先日、飛び込み営業の人がやってきました。
「太陽光の、、、」という感じ。
受付の電話では引き下がる様子を見せず、
やむなく顔を見せると名刺交換を強要されました。
そして頼んでもいないのに資料を広げて
関心があるとも言っていないサービスについて
ダラダラと説明を始めます。
その後、丁重にお引き取りいただきましたが、
去り際にじろりとにらまれてしまう始末。
まったく不愉快な体験でした。
飛び込み営業に関して言えば、
多くの人から嫌われるだけでほぼ効果はありません。
どうせ相手先をアポイントメント無しで訪問するのであれば
別の切り口を用意すればいいのです。
飛び込み営業ではなく「挨拶」ならOK
飛び込み営業のように嫌われることなく、
地域の事業者を訪問するにはどうしたらいいのか。
キーワードは「挨拶」です。
商品・サービスを売り込もうとするのではなく、
挨拶を理由に訪問すれば良いのです。
例えば
・開業したばかりなので近隣の事業者さまに挨拶に廻っています。
・引っ越しや工事でお騒がせするので挨拶に廻っています。
といったことを理由にします。
大事なのは自社の商品・サービスを売り込もうとしないこと。
セールス臭をちょっとでも漂わせた途端に、
飛び込み営業と見なされて拒否反応を引き出してしまいます。
粗品を手に持って、あくまで挨拶に徹すれば、
相手の警戒感のハードルも下がって対話が可能になります。
まずは
・いつから商売しているのか
・どんなことに困っているのか
などを軽く聞き出すことができればそれで十分。
顔を覚えてもらった後に、解決策を提案すれば良いのです。
飛び込み営業が嫌われるのは
突き詰めれば関係性の無い相手から
一方通行のセールスを受けることへの不快感が原因。
挨拶という切り口に変えることで
セールス臭をほぼゼロに抑えることができるので
対話の可能性がぐっと高まります。
私が行政の事業相談窓口を任された当初、
行政の担当者から
「商店街の事業者すべてに飛び込み営業しろ」
と指示をされたことがありました。
私は断固拒否。のらりくらりとかわし続けました。
商売のお手伝いをする立場の者が
「相談にぜひいらしてください、お願いします」
などと飛び込み営業をするのは本末転倒です。
この滑稽さを理解できない行政の担当者には苦労させられました。
その後は私と感性が合う事業者を見極めて、
知恵とアイデアを重点的に提案。
これらの事業者が成果を生み出す頃には
自然と行列ができる事業相談窓口に成長していました。
同じ事業者訪問をするのであっても
時間と労力を奪うのではなく
別の切り口で訪問することは可能です。
売ろうと気ばかりあせっても成果はでないもの。
まずは関係性を構築するところから始めましょう。
1件の成約のために何人に嫌われてもいいのか
飛び込み営業を勧める人や
自分で実績を出したという人の中には
「100件訪問して1件成約すればよい」
という考え方の人がいます。
※300件訪問して1件だったかも
この確率論のような考え方は嫌いではありませんが、
地域に根ざして商売をする人間にとっては非常に危険。
なぜなら残り99人には悪印象しか残さないからです。
1件の成約のために何を犠牲にしてしまうのか、ということ。
営業の勘所はどれだけ種まきをしておくかだと思っています。
いきなり商品を売りつけることは
どんなに経験豊富な営業担当者でも不可能。
将来の売上計上を見据えて、
まずは相手の困りごとを聞き出し、
必ずしも自社の商品・サービスに関わることでなくてもお手伝いをする。
この地道な種まきがなされて、初めて売上に結びつきます。
飛び込み営業は自分だけの都合で相手の時間を奪う、
一番下手な打ち手です。
一度嫌われてしまえばその後に繋がることもありません。
関係性を構築するために見込客を訪問することと
飛び込み営業はまったくの別物です。
まずは自分を知ってもらい、
徐々に間合いを詰めていくゆとりを持ちましょう。
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