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コラム

成功させるための「支点」を深く吟味する

創業支援に携わっていると、
提供する商品やサービスの内容を安易に決めてしまう人が多いと感じます。
「やりたいからやる」のはまったく問題ないのですが、
商売を成功させるためにはより深い検討が必要なことも。

まったくリサーチしようとしない人は向いていない

創業しようと思いついた時点では、
まだ具体的な商品やサービスを決めていない人もいるでしょう。
そのこと自体はまったく問題ないと思います。
しかし、事業化の検討を進める過程で
必要なリサーチを行わない人がいることには驚かされます。

ある新商品を思いついたという人からの相談を受けたことがあります。
小売店などでの買い物時に便利なアイデア商品であるとのこと。
何か具体的な相談事項があったようではなく、
「アイデア商品を思いついたから聞いてくれ」
といったお話しぶりです。

もちろん壁打ち相手として利用してもらうのは大歓迎。
ただ、詳しくお話を伺ってみると、
すでに広く流通しているアイテムのようで、
世の中に無かった新商品とは呼べない状況であることがわかりました。
そのことをご指摘すると気分を害されてしまったようで、
あっという間に帰られてしまいました。

簡単な検索キーワードを入力すれば、
アイデアがすでに商品化されていることは調べられたはず。

「スマホではないから」

「家にパソコンがない」

「検索が苦手だから」

「自分で調べるのが面倒くさい」

といった理由があったのかもしれませんが、
商売を始めようとするのであれば
この程度のリサーチ能力、リサーチする意志がなければ始めるべきではありません。
性別や年齢は関係ないことです。

成功させるための「支点」を深く吟味する

事業を営もうとするのであれば、
今の時点では多くの人が気付いていない、
でも目の前に確実に存在している困りごとを見つける必要があります。
そしてその困りごとを解決するための道筋を、
つまり、事業として成り立たせる「あらすじ」を考え出さねばなりません。

ざっくりいうと、
商売を成功させるポイントがどこに潜んでいるかを見極める嗅覚が必要で、
私はそのポイントはテコの原理でいう「支点」みたいなものだと思っています。
特定の支点を見極めて利用することで、商売上の最大限の効果を生み出せるはず。

「逆張り」や「独自化」というのも、
支点を見極めているからこそ取り得る手段です。

例えば、私は社会保険労務士の資格は持っていますが、
手続き業務などは(ほぼ)手掛けていません。
多くの社会保険労務士が持つ常識に対して、
「逆張り」をすることで「独自化」を図っています。

どうしてこのようなことができているかというと、
成功させるための「支点」を見極めているからです。
私が顧客に選んでもらえる理由は
社会保険労務士という資格を持っているからではなく、
地方中小企業の経営経験と中小企業支援事例にあると「支点」を探り当てています。

漫然と「仕入れて売る」「作って売る」という商売をするだけでは
持続可能な経営を行うことはできません。
ましてや創業したとしても顧客を見つけることは困難。
自分の商売を成功させるための「支点」がどこにあるのか。
あわてて商品やサービスを用意する前に、
まずはじっくりと吟味してみましょう。

公園にあるシーソー

事業の「支点」を見極めましょう

創業は究極の自己実現

現在、私も新事業を準備中です。
あくまで準備中で取り組むかどうかは未定ですが。

ちょうど今朝は懇意にしている弁理士に商標登録について相談しました。
しばらく前から思いついていた名称が、
どうやら違和感無さそうなことを自分の中で確認できたので
そろそろ登録して外に出しても問題ないように動き始めました。

こうして徐々に事業が動き始めているのを実感する機会があると、
しばらく自ら実業を手掛けるところから遠ざかっていたので、
新しい挑戦に心を躍らせることができます。

もちろんこの新事業にも「支点」の見極めが必要。
これまでにも、やりたいことはいくつか思い浮かぶことはあったものの、
商売を成功させるための「支点」を見つけるに至らないことばかりでした。

「思いついたから始める」
「やりたいからやる」
というスピード感を否定するものではありませんが、
商売を成功させるための「支点」を吟味しなければ
事業を軌道に乗せることは極めて困難でしょう。

創業は究極の自己実現であり、
また、やりたいことがあるというのは1回の人生において幸せなことです。
せっかく取り組むのであれば、
成功の確度を高めるために「支点」を十分に吟味したいものです。

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