士業マーケティング 開業後に始めて良かったこと
雇われる立場であった人が士業事務所を開業すると
初めて経験する業務を手掛けることが多々あります。
8年目の私が感じている、
「開業後に始めて良かったこと」を書いてみます。
講演
初めて講演をして報酬をいただいたのが2018年のこと。
まさか自分の話が求められているとも思わず、
ましてやお金になるとは思ってもいませんでした。
家業の代表取締役を務めていた時から
人前で話す時はありましたが、
会社を代表して挨拶することがほとんど。
お役目だからと勇気を振り絞って話していただけで、
積極的に話したかったわけではありませんでした。
私の講演内容は教科書やテキストに書いてあるような
「事業承継の実務上の留意点」や
「中小企業支援のポイント」
といった切り口ではありません。
・江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡した経験
・地方中小企業の売上アップをお手伝いした支援事例
の2つが私のコンテンツで、
どちらも私だからお話しできる内容で完全オリジナル。
それでも最初の講演の資料を読み返すと、
率直に言ってかなり完成度が低いです。
よくもまぁ、この内容で人前に立てたものです。
今でも冷や汗が出てきてしまうレベル。
しかし、この後、
年に何度か講演の機会をもらえるようになり、
その都度、内容に手を加え続けてきました。
今ではだいぶ完成されたコンテンツになっていて、
講演の度に一部を最新の情報へ更新する程度で済んでいます。
もし最初の講演のお声がけがあった時に
「講演など私にはできません」
「お金をいただくような内容は持ち合わせていません」
などと断ってしまっていたら、
人前で話すことを仕事にはできていませんでした。
講演業は開業後に始めて良かった仕事の一つです。
ブログ
開業した士業がホームページを用意することは当たり前ですが、
さらにブログを毎日更新し始めたことで、
地味に効果を生み出しています。
直近でも効果を実感した出来事がありました。
先日から都内某エリアからのアクセスが続いていて、
丹念に私のことを調べてくれているようでした。
その後、某案件に採用されたと連絡があり、
ホームページを充実させておいてよかったなと思った次第です。
ブログも辿ってくれていたようで、
私が何者であるかを調べてからご連絡いただいた様子。
自己開示の重要性を改めて体感しました。
私が関与先の経営者などに情報発信をお勧めすると
「ネタがない」
「文章を書ける従業員がいない」
「見られなかったら恥ずかしい」
「間違ったことを発信したら炎上する」
「すぐに売上に結びつくのか」
などと否定的な反応が返ってくることがほとんど。
また始めたとしても、
多くの事業者が発信を継続することができていません。
ただ、我が身に置き換えて考えると納得してもらえるのですが、
どこの誰かわからない人から積極的に物を買おうという考えは生まれません。
自分が何者でどんなことを考えているかを伝えることは
何より強力な販売促進の手段なのです。
私の場合はブログという道具で発信しています。
どんな手段で自己開示するかは人それぞれ決めれば良いこと。
士業だからといって法改正情報ばかりを発信する必要はなく、
反対に本人の個性を伝えられるのであれば、
画像でも動画でも音声でもOK。
自分に相応しい道具を選んで自己開示をすれば、
いつか必ず新しいご縁に結びつくことでしょう。
やらないことを決める
完全に自営業に移行してから特に強く意識しているのが
「やらないこと」「手掛けないこと」
です。
例えば私の場合は
・社会保険の手続き
・給与計算
・補助金の申請
・睡眠時間を削る仕事
・夜のお付き合い
は避け続けています。
私以外にもいくらでも得意としている競合がいるような仕事は
わざわざやる理由がありませんし、
また最も貴重な時間を浪費するような行動もしたくありません。
こうしたわがままが許されるのも、上司がいない開業した者の特権です。
雇われる立場であれば座っているだけでもほぼ確実に給料はもらえますが、
自営業は稼ぐも稼がないも自己責任。
自分一人で事業の決着をつけなければいけないからこそ、
やらないことを決める自由も持ち合わせています。
無限にできることがある一方で、
やらないことを決めておくことで行動の迷いを減らすことができます。
私は定期的に自分の「やらないことリスト」を見直すことにしています。
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