地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

士業マーケティング 事業の実質実態を見抜く眼力を持ち合わせよう

中小企業支援に関わっていると
世界を変えるような経営者や技術に出会うこともあれば、
事業の実態に乏しい怪しい会社を見かけることもあります。
世の中には様々な会社が存在しているわけで、
士業が顧問先などと関わる際に必要な
事業性を適切に評価する視点について書いてみます。

事業の実態を見抜く眼力を養う

ある時、他県の銀行担当者がいらっしゃいました。
「中小企業支援のノウハウを教えてもらいたい」
というのが来訪の趣旨でした。
担保を取るだけでなく事業性を評価して融資を実行するためにも、
行員に中小企業支援のノウハウを共有したいとのこと。

私から申し上げたのは、
中小企業支援に方程式のようなものはないと思っていて、
少なくとも私はノウハウを持ち合わせていないということ。
担当者はノウハウをシステム化することなどを考えているよう。

さらに具体的な支援事例を例示しながら説明し、
その時々に経営者とどのような対話をし、
どのように売上アップを実現したかをお伝えしました。
もちろん成果に繋がらなかった相談事例も隠さずに。
このように中小企業支援の現場の様子をお伝えすると、
システム化することが困難だと悟ったようでした。

私のように、
金融機関出身でもなく、
支援機関出身でもなく、
会計士や診断士でもない、
地方中小企業での経営者経験のある中小企業支援家
というのは珍しい存在でしょう。

地方中小企業の経営経験があるからこそ、
経営に「踏んではいけない地雷」はあるものの、
すべてを解決する方程式が存在しないことを体感しています。

事業性を評価しようという姿勢は素晴らしいことです。
地方中小企業の経営者にとっては
純粋に事業の可能性でもって評価されることになるからです。
一方で事業性を見極めるためには
マニュアルなどに頼るのではなく、
事業の実態を見抜く眼力が求められます。
センスと言い換えても良いかもしれません。

事業の実態を見極める

ある経営者が、
世界を一変させるような技術を持ち合わせている
というので話を聞いたことがあります。
結論から言うと、
私はその会社の目的は出資者からお金を集めることだけだと理解しました。

私は一部の地方中小企業や経営者の持つ、
「胡散臭さ」というのに人一倍敏感なつもりです。
法人営業の担当をし、
様々な思惑を抱く銀行担当者と対話し、
疲弊した地方中小企業の経営者の相談を受けてきたからか、
事業の実態を伴わない企業や経営者に対して、
何となくピンとくるものがあるのです。

胡散臭い会社や経営者に共通するのは

・カタカナ語を多用する

・人脈をひけらかそうとする

・数字の話になると口をつぐむ

・不都合なことには声を大きくして対応する

・事業内容をわかりやすく語れない

といった点があるように思います。

事業性を評価しようとするのであれば
こうした目眩しに惑わされずに
事業の実態を見極めなくてはいけません。

「超有名企業と繋がっている」

「世界の有識者から注目されている」

「人脈には困っていない」

といった経営者の大きな言葉を真に受けてはいけないのです。

事業の核心が何であるのか。
誰にでも理解できる課題を解決するものなのか。
自然法則などに反するものではないか。
法令等に違反している可能性はないのか。
突き詰めれば、自分自身が理解できる事業を営んでいるのか。
こういった点を冷静に判断しましょう。

東京の眺望

まずは全体を俯瞰しましょう

実質実態を探り当てる嗅覚を養う

残念ながら、
世の中の経営者や法人の中には
相当数の胡散臭いものが混じっています。
そうした経営者や法人に関わってしまうと、
士業本人も同一視されかねません。
仮に業務を依頼されそうになり
報酬や条件に魅力があるように思えても、
毅然として断る勇気が必要です。

試験に合格して開業したばかりの頃は
免疫のない士業に対し、
胡散臭い者からアプローチがあると言います。
名前だけを貸してくれだとか、「絶対に」損はさせないだとか。
おいしい話には必ず裏があると考え、
相手先のことをよく調査してから話を聞くようにしましょう。

事業性を適切に評価できるということは
信用調査のように企業評価をできることでもあります。
表面上の情報を鵜呑みにせずに
実質実態を探り当てる嗅覚が必要です。

事業性が評価できれば
まだ光の当たっていない地味な会社だけれども
大きな伸びしろのある会社と出会うことも可能になります。
これこそ士業が働く上での喜びの一つでしょう。

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