地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

「どうにもならないこと」に心を消費しない

地方中小企業の経営者を務めていると、
自社あるいは自分だけではどうにもならない壁に直面することがあります。
その際に重要なのはさっさと次の仕事に意識を向けることです。
実現不可能なことにいつまでも囚われると、
地に足をつけた仕事ができなくなってしまいます。
視線をできるだけ先に持つようにしましょう。

コントロールできないことを見極める

地方中小企業の経営に携わっていると、
日々、様々な事件が発生します。

例えば、

古参の従業員が重用されないことに不満を抱き、
仕事を巧みにサボタージュしている

銀行から支援の確約を得ようとするも、
のらりくらりと返事をしてもらえない

親戚でもある少数株主が株主総会前に
怪文書を送りつけてくる

といったことが、
私が家業の代表取締役を務めていた際にはありました。

いずれも直面した時には非常に腹立たしいのですが、
ふと深呼吸をして考えてみると
私が自分だけでどうにかできることではありません。
相手がいて起こっている事象なので、
いくら腹を立てたところでどうにもならないのです。

そのことに気付いてからは、
自分の中で怒りのピークを過ぎたなと思ったら
「なぜ腹立たしく思ったのか」を可視化して、
消化してしまうように心掛けています。
忘れてしまうというのとは別で、あくまで消化です。

地方中小企業の経営者は
事業運営上の最終責任者です。
何かを誰かのせいにすることはできず、
突き詰めれば会社の前の信号が赤になるのも経営者の責任。

それだけの重責を負っている立場なので、
コントロールできない事案についていつまでも囚われている余裕はありません。
打つべき手を打った上で、
さっさと次の仕事に向かいましょう。

何がコントロールできて、何はコントロールできないのか

一方で避けなければいけないのが、
経営者の現実逃避です。
本来であれば対応できるであろう事案なのに、
向き合わなかったりするのが現実逃避の典型的なパターン。

ある経営者は資本金を食いつぶし、
知人からお金を借りてでも事業を営んでいましたが、
肝心の営業にはいつまで経っても注力しようとせず、
補助金や政治家との繋がりばかりを求めていました。

またあるオーナー経営者は
自宅を法人名義にし、次から次へと乗り換える高級車も法人名義に。
配当を得るために粉飾決算にまで手を染めてしまい、
最後は銀行から信頼を失って会社を追われることになりました。

どちらの会社も業績が厳しい状況でしたが、
経営者が地に足をつけた経営を行っていれば
また別の未来を切り開くことができたかもしれません。

会社が窮境に陥ると
すべてがうまくいっていないように思い込んでしまいがちです。
しかし、反転攻勢のカギは必ずどこかにあるもの。
カギとはつまり、自らがコントロールできること。

ある後継経営者は代表取締役に就任したものの、
既存事業の先行きに明るい未来を描けませんでした。
下がり続ける売上や人手不足に鬱々とする日々でしたが、
ある日、新規事業に着手することを決意。
社内外のしがらみに縛られて抜本的な改革を行えない既存事業に囚われず、
新規事業に取り組むことで活路を見いだそうとしたのです。
結果は新規事業が成功。
社内に新しい風を吹かすことができました。

何がコントロールできて、
何はコントロールできないのか。
見極めをつけて無駄な行動に労力を費やさないことが必要です。

長く続く狭いトンネル

負の感情に囚われると脱け出せなくなります

「人」はコントロールできない

人の心はコントロールすることができません。
特に感性の合わない人に対する不満ほど非生産的なことはありません。
不満を抱いたからといって問題は解決せず、
いつまでも経営者の心に取り憑く負の感情になるだけだからです。

本気で相手に改善を促すのであれば
不満を抱え込むのではなく対話をしましょう。
お互いの考えをぶつけ合えれば、
改善の糸口を見つけ出せるかもしれません。

ただ、お互いの「我」がある限りは落とし所を見つけることは困難。
いつまでも執着せずに、
距離を置くか、縁を切るか、そういう人だと割り切るのも現実的な選択肢です。

私は誰とでも深く付き合うことが苦手です。
また感性の合わない人と無理して付き合うのも不得手。
コントロールできない「人」というものに振り回されるくらいなら、
自分からご縁を整理することを心掛けています。

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