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コラム

今、新規事業を始めるとしたらどういう組織にするか

新しい事業を始めようとすると
どのような組織で運営するかにも思いを巡らさねばなりません。
当初は自分一人で始めるにしても、
最初から構想しておけば無駄な行動を減らすことができます。
特に重要なのは誰とどう取り組むか。

基本的に正社員は不要かもしれない

新しい事業のビジョンやミッションを固めていると、
ふと「無期雇用の従業員は不要だな」と思うに至りました。
つまり、正社員って要らないよねと気付いてしまったのです。

業績が良くても悪くても、
その日の仕事があってもなくても、
雇用し続けなければいけないのが無期雇用の従業員です。
事業運営上、どうしても必要なポジションと人材でなければ、
わざわざ無期雇用にする必要はないと思うのです。

家業の代表取締役を務めていた際、
退任時には全社で300人超の従業員を雇用していました。
そのうち約120人が正社員で、
残りは有期雇用のパートタイマー。

1990年頃の業績のピークに向かって新卒を大量に採用し続け、
業績が窮境に陥り始めてからも
「従業員に給与を支払うために」売上を作り続けなければいけませんでした。

何度か行った早期退職制度の運用は、
膨らみ続けた人件費の削減が目的ではありましたが、
事業構成を見直す好機でもあったはず。
ところが思うように退職希望者が集まらず、
「人は減らない、割増退職金を用意するための借り入ればかりが増える」
という悪循環に陥ってしまいます。

誤解を恐れずに言えば、家業は、
社会の成長に資する付加価値を生み出すための事業から、
いつしか、
従業員へ給与を支払うのに汲々とする事業になってしまっていたのです。

こうした経営経験があるせいか、
真っ新な状態から新規事業を立ち上げようと考えると
安易に無期雇用の従業員を抱えようと思えなくなってしまいました。

従業員やその雇用形態の一つである無期雇用が悪いというのではなく、
事業が社会で果たすべき役割を考える時に、
必ずしも最初から無期雇用の従業員ありきで
走り始める必要はないのではないかというのが私の言いたいことです。

外注を上手に使う能力を養う

私の個人事業の事務所では外注を多用しています。
商標の出願
執筆した原稿の添削
ポッドキャストのアシスタント
イラストの作成
申告書類の作成
などなど。

いずれも特殊なスキルを必要とするものばかりですが、
私がやろうと思えばできることも含まれます。

たとえば、
申告書類の作成はfreeeを使っており、
日々の記帳さえできていれば、
わざわざ税理士に外注する必要はないかもしれません。
ところが自分の時間を確保したいのと、
税理士にチェックしてもらうという保険を掛けたいがために
報酬をお支払いして外注することにしています。

外注する際に気を付けているのは
報酬を最初から提示するか、
あるいは提示してもらった報酬をそのまま受け入れること。
報酬を値切ったりして質の高い仕事をしてもらえることはありません。

私が仕事を受ける立場の場合でも、
最初から報酬を提示してくれない依頼には身構えてしまいます。
他者を利用する際に最も重要な報酬を
きっぱりと提示できない感性が理解できないのです。

外注を活用できている業務は
従業員を雇用する必要はありません。
給与の額面以外にも会社負担の社会保険料が発生しますし、
何より雇用し続けなければならない責任が生じます。
多少割高であっても、
業務委託契約で回せるのであれば、
安易に従業員を雇用する必要はないと考えてしまいます。

労働条件通知書

従業員を採用したら雇用し続けなければいけません

雇用によって発生するリスクがある

今のところ私が考えているのは株式会社での法人立ち上げ。
当初は私が100%株主ですが、
事業を進めていくに当たって必要な人と巡り会えれば、
雇用契約ではなく、
株式を持ってもらった上で参画してもらいたいです。

事業の価値を増やすことができれば、
共に株式を通じて喜べる人とのみ組みたいのです。

雇用契約が悪いというのではなく、
生産性の低い従業員やフリーライダー、問題社員に足を引っ張られのは
何よりの損失だと思っていて、
特に創業期に悪意のある人物にかき回されると
取り返しのつかないことになりかねません。

私が見聞きしている範囲でも、
安易に「知り合い」を取締役に迎えてしまったがために
思っていたような貢献をしてくれなかったり、
そればかりが退任してもらうのに費用が発生してしまったりと
経営者が後から大きな後悔をしている事例が複数あります。
もちろん問題社員にずるずると食い物にされている事例も。

「雇用はリスク」というと問題がありますが、
「雇用によって発生するリスクがある」のは事実です。
安直に従業員を抱えてしまうのではなく、
事業の目的を実現するための最適な組織にしようと考えています。

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