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コラム

創業支援者向けの講演をどう組み立てるか

講演の依頼があったのですが、
以前に作成したあらすじ・スライドは使えなさそうです。
どのように組み立てようとしているかを書いてみます。

建前論は話さない

今回のご依頼は
某公的支援機関の創業支援担当者向けの講演。
おそらく私よりも業界歴ははるかに長く、
多くの事業者と接してきた人々を相手に話すことになります。

ところで、私の講演は実体験に基づく内容しか話しません。
これまでの経歴で得られた知見を
講演という機会に参加者に還元するというスタイル。
そのため教科書的な内容をお話しすることは避けています。

例えば
創業支援者に求められる心構え
創業支援者が体得しておくべき傾聴テクニック
事業者支援の形態と注意点
といったようなことはお話ししません。

もちろん上記のような内容に触れることもありますが、
あくまで私の実体験に基づいたものをお伝えします。

薄っぺらい建前論だけであれば、
誰でも何となく話せることでしょう。
しかしそこには実体験という魂が籠もっていないので
参加者の心に響くことなく時間の無駄になってしまいます。

元々、中小企業支援業界の出身ではなく、
京都の茶わんやであった私が話すのですから、
大上段に構えずに、
これまで6年間の中小企業支援家としての活動をふり返りながら
自然体で講演させてもらおうと思っています。

講演内容の組み立て方

今回は10時から16時までという、
昼休みを挟んで5時間の講演です。

これまで2時間の講演が多かったので、
今回は倍以上のコンテンツを用意しなくてはいけません。
同じ内容を引き伸ばすことは不可能で、
ちょっと工夫が必要かなと思っています。

今のところ、
5時間をどう組み立てようとしているかというと、
30分ごとのネタを午前4本、午後6本用意します。
さらに時間調整用のネタも用意して、
時間が余ってしまうという事態を回避します。

例えばこんな感じです。
創業者インタビュー動画(動画15分・議論15分)
支援者の心構え〜クレーム事案からの考察〜
公庫の「創業計画書」の有効活用
といったネタを用意するのです。

インタビュー動画は懇意にしている、
かつての相談者さんに依頼するつもり。
15分程度であれば何人かはOKしてくれることでしょう。

クレーム事案は匿名化した上で共有します。
「こういった話し方をしたらお叱りを受けてしまった」
というのをさらけ出すことで、
参加者の失敗談も共有できたらと思っています。

公庫の「創業計画書」は
創業者がいらした時に作成をお勧めしているもの。
公庫から融資を受けようと考えていなくても、
頭の中を整理するのに有用なツールです。

時間調整用のネタは創業に限らない中小企業支援事例か、
メディア掲載事例を用意しておきます。
残り時間に応じて紹介する事例数を調整すれば、
指定の時刻ぴったりに終わらせることができるでしょう。

こうして私の実体験に基づくネタを用意すれば、
「私でないと実施できない講演(研修)」ができあがります。
注意点は一方的に話す講演は流行らないということ。

よほどの大先生ではない限り、
自己の事例ばかりを話したところでしらけてしまいます。
参加者の言葉を引き出せるように、
ワークなどを織り交ぜて進行させていくことにします。

ある中小企業支援業界の大先生は
全国各地を講演で飛び回っていました。
私も何度か拝聴したことがあるのですが、
いつしか、自分の自慢話ばかりに終始するようになりました。
支援事例も何年も前のものを使い回すばかり。
ちやほやされている本人は気付いていませんでしたが、
参加者からはあまり評価されなくなっていました。

こうした悪いお手本も見聞きしているので、
謙虚に仕事をさせてもらうつもりです。

天井に据え付けられているプロジェクター

主催者には予備PCを用意してもらうようにしています

自分だけのコンテンツを作る機会にする

講演のご依頼があった時に考えるのは
その講演をこなすことだけではなくて、
独自のコンテンツを作る機会にもしてしまうことです。

仕事をして報酬をもらって終わりにするのではなく、
貴重な機会を利用して、
その後の仕事に繋がるように立ち回ります。

今回のご依頼であれば、
創業支援者向けの講演ということで
以前にも似たようなお話しをする機会はありました。
しかし、趣向を変えて用意することで
新しいコンテンツを実地にテストする機会にもできてしまいます。

テストととはいえ、
もちろん全力で取りかかる業務です。
参加者に満足してもらえるように最善の努力を尽くします。

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