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コラム

士業マーケティング モノクロ撮影に特化させたカメラから考えること

最近、欲しいカメラが2つあります。
どちらもモノクロ専用機です。
フィルムカメラも使いますが、
詰めるフィルムはモノクロのことがほとんど。
モノクロだからこそ、撮影時の思考を楽しめます。

モノクロ撮影に特化させたカメラ

最近、2つのカメラが立て続けに発売されました。
どちらも噂にはなっていましたが、
相次いで発売されたあたり何か考えさせるところがあります。

Leica M11 Monochrom
https://leica-camera.com/ja-JP/photography/cameras/m/m11-monochrom

1つ目がライカのM型。
2022年に発売されたM11のモノクロ専用機。
市場価格は概ね130万円超といったところ。
Mマウントのレンズを装着させることができます。

PENTAX K-3 Mark III Monochrome
https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/k-3-3-mono/#section01

2つ目がペンタックスのK-3 Mark IIIのモノクロ専用機。

2021年に発売されたK-3 Mark IIIがベースです。
市場を席巻しているミラーレスではなく一眼レフ。
私が初めて手にしたデジタル一眼レフが、
ペンタックスのK20Dでした。
単焦点レンズをいくつか集めて、
私にとっては思い出深い機種の1つです。
そのペンタックスの一眼レフで
モノクロ専用機が発売されたというのはうれしいニュース。

PHOTO YODOBASHIのレビューも力が入っていて、
以前のようにペンタックスの単焦点レンズで撮影したくなりました。
http://photo.yodobashi.com/pentax/camera/k3iii_monochrome/

ちなみにPHOTO YODOBASHIのレビューは
購買意欲をかき立てるという点で、
情報発信の見本の1つだと思っています。
価格やスペックだけを語るのではなく、
道具を手にした先にある
「今より良い世界」を垣間見せてくれます。

安直に「買ってください」という発信は
何より嫌われる押し売りと同じ。
外堀を埋めるように世界観の魅力を伝えるのは
結果、売上アップに繋がるのです。

顧客を絞り込む

カメラ情報ブログではないので、
スペックだとかの細かい紹介はしませんが、
高解像度のミラーレス機が流行っているのに、
わざわざモノクロ専用機が立て続けに発売されたのは
商売を考える上でも面白いことだと思っています。

商品を開発しようとすると、ついつい、
「世界中の多くの人に手に取ってもらいたい」
と考えてしまいがちです。

例えば、社会保険労務士ならば
「従業員の採用から退職まで、すべての関連業務をお任せください」
といった感じ。

また、かつての家業の茶わん屋の場合であれば、
ビールの景品から人間国宝の作品までを取り扱い、
結果、ヤフオクやメルカリに溢れかえるブランドになってしまいました。

不特定多数を対象にしてしまう商売は
顧客像を絞りきれているようで絞りきれていません。
結果、誰の心にも刺さることなく、
誰にも選んでもらえなくなってしまうのです。

商売に必要なことの一つは無駄を削ぎ落とす勇気だと思っていて、
対象とする顧客像も勇気を持って削ぎ落とす必要があるのです。
顧客像がくっきりとすればするほど、
対象にメッセージが届きやすくなり、
その分だけ購買に結びつく確率が高まります。

冒頭のカメラの場合だと、
機能を削ぎ落として(厳密に言うと研ぎ澄ませて、です)、
同時に顧客も絞り込んでいます。
カラーのきれいな画像を求める顧客を切り捨て、
モノクロを愛する顧客に対象を絞り込んでいるわけです。

古いカメラ

フィルムカメラはモノクロフィルムばかりで撮っています

自分の強みを絞り込む

顧客を絞り込むのと同じように、
自分の見せ方も絞り込んだ方が見込客の心に響きやすくなります。

単に「社会保険労務士です」
と自己紹介したとしても、
同じ資格を持っている人は全国に数万人いるので
「自己」を「紹介」したことにはなりません。

私の場合は

1.江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡し、

2.その後、中小企業支援家に転身して売上アップ事例を手掛け、

3.手続き業務はできるだけしないことにしている社会保険労務士

という見せ方をしています。

ひとつひとつの要素だと同じような立ち位置の人がいるかもしれませんが
3つを掛け合わせることで競合に無い、
独自の立ち位置を作ることが可能になります。

社会保険労務士です、と伝えて、
できるだけ多くの人から仕事を受託したくなるところですが、
残念ながら独自の立ち位置が無ければ競合の中から選ばれることはありません。
勇気を持って自分の立ち位置を絞り込むことで、
全国に数万人いる競合の中からくっきりと浮かび上がることができるのです。

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