地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

中小企業支援家だからこそ事業を手掛ける

新しく取り組みたい事業について、考えが形になりつつあります。

初期的な検討を進めて事業化の可否を決めようと思っています。

商売の現場に戻りたい

今でこそ中小企業支援家を名乗っていますが、
元々は京都の茶わん屋の私。
2015年に投資ファンドに事業譲渡し、
事業を存続させることを実現してからは
「またいつか商売の現場に戻りたい」
という思いを少なからず抱いていました。

といっても具体的に事業のアイデアがあるわけでもなく
日々の糧を得る必要もありました。

ちょうど次の社会人人生で何をしようかと考えていた時、
ある公募で選ばれたのをきっかけに中小企業支援家への道が拓けたので
思い切って身を任せて今に至っています。

地方中小企業や創業を志す方を支援する側に必要なのは
勇気を持って経営に取り組んでいる人への「敬意」だと思っています。
事業者を支援しようとする専門家と呼ばれる人はたくさん存在しますが、
多くは自ら本当の経営に携わったことが無い人がほとんど。

そうした人に限って、
拙い言葉で説明しようとする事業者に高圧的に接したり、
表面上の数字だけを捉えて事業の善し悪しを評論したりします。
私は常々、こうした専門家にはなりたくないと考えていて、
自分の経営経験がいつか薄れてしまうまでには
再び経営の現場に戻らなければいけないと自分を戒めています。

支援する側というのは非常に居心地が良いものです。
「先生」と呼ばれることもありますし、
事業者が行列をなして相談に来てくれるのですから。
自ら大きな汗をかかなくても
何かを成し遂げたかのような錯覚を抱いてしまいがちなのです。

その居心地の良さに惑わされてしまうと、
いつか商売の現場で役に立たない者になってしまう恐怖感があります。

元々、京都の茶わん屋という商売人です。
事業の付加価値で社会をほんの少し良くすることに貢献する。
商売人の本能を忘れないうちに自ら事業に関わろうと考えています。

商売をギャンブルにしない

どんな事業を考えているかは伏せますが、

・自分のこれまで歩んできた人生が生きる

・思い込みだけで作った商品を抱えるようなギャンブルはしない

・他業界や競合のリサーチを実施する

といったあたりに留意しています。

特に私が大事だと思うのが
商売をギャンブルにしないということ。

これはなにも創業や新規事業だけに当てはまることではなく、
採用などの労務、資金繰りなどの財務にも転用できる考えです。

例えば採用の場面を考えると
幹部候補生や後継者の採用と言いながらも、
数回の面接と履歴書・職務経歴書だけで採用しようとする企業があります。
私自身もこうした企業から声を掛けられたことがありますが、
逆に自分が不安になってしまった経験があります。

取締役にまで登用しても
短期間のうちに解任せざるを得なくなった事例はよく見聞きするところです。

ある製造業の会社が後継経営者を募集していました。
仲介会社から私に声が掛かったので応募したところ、
かなり変わった経歴が経営者の目に留まったようで
すぐに会社に来てくれと連絡が入りました。

数日後に経営者と会うと、
その場で採用を決めたような口ぶりです。
「次回の株主総会で代表取締役を交代するから」
と言うのです。

話が早いのは基本的に良いことなのですが、
この会社の場合はあまりにも拙速に感じたのでお断りしました。
拙速な採用は会社にとっても本人にとってもギャンブルになってしまいます。

商売をギャンブルにしないというのは私が大事に考えていることの一つです。

京都タワーとその周辺

元は京都の茶わん屋です

中小企業支援家だからこそ事業を手掛ける

新しい事業を始めるとしても
中小企業支援から離れることはありません。
これまでのところ関与先からは重宝に使ってもらっていますし、
何より多くの経営者とお話しすることが楽しいからです。

過去の経験だけを吐き出して
中小企業支援家と名乗るのではなく、
自らも実態のある事業を手掛けることで成長し続けながら、
関与先に貢献し続ける。
そんな姿を思い描いています。

かつて家業の代表取締役に就いていたときのような
多くの仲間に囲まれながらの挑戦ではありませんが、
自分らしく新しい事業に取り組めたらなと考えています。

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