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コラム

士業マーケティング  個別相談で心掛けていること

士業というと何か知識を授けるイメージがありますが
日々の業務の実態は経営者との対話がメインのはず。
対話であるからには一方的に話すのではなく、
相手からも何か学びを得ようとする姿勢が求められます。

個別相談で心掛けていること3つ

日々、個別相談を実施して、
地方中小企業の経営者と対話をしています。

あくまで対話であって、
私が一方的に魔法の杖を振るうような
「経営指導」を行っているわけではありません。
対話の過程で売上アップの糸口を探しているのです。

そのため私が心掛けているのは

・事業者の話をすべて受け止める

・これまでの行動を否定しない

・わからないことはわからないと伝える

といったことです。

事業者の話をすべて受け止める

個別相談を受けようとする事業者は
勇気を振り絞って私の所に来てくれています。
これは他の公的事業相談窓口でも同じことで、
相談を受ける側は仕事なのでなんとも感じていませんが、
経営者からすると困りごとをさらけ出さなくてはいけないので、
意を決して足を運んでくれています。

それでも、

「こんなことを聞いて笑われないだろうか」

「解決策を見出すことはできるのだろうか」

「そもそも話を丁寧に聞いてくれるのだろうか」

といった不安を抱えながら足を運んでいます。

相談を受ける側に必要なのは
こうしていらしてくれた事業者に対する敬意です。
知識や経験、コミュニケーション能力なども必要ですが
まず真っ先に求められるのは一国一城の主である経営者が
わざわざ外部に意見を求めようとしている姿勢への敬意なのです。

敬意が欠けている相談員などに私も遭遇したことがありますが、

・足を組んだり肘をついたりしながら話をする

・いきなり上から目線の口調で話し出す

・相談内容をろくに聞かずにダメ出しばかりする

といった行動を取る輩もいます。

どんな話であってもまずはすべてを受け入れること。
そこからすべてが始まります。

これまでの行動を否定しない

私が家業の代表取締役を務めていたときに、
ある公的機関の経営相談窓口に出向いたことがあります。

開口一番に言われたのが、
「経費、特に人件費が多すぎるから赤字なのだ」
ということ。
そんなこと言われなくても分かっています。

過去からの経緯があって現在の窮状があるわけで、
何か未来につながる糸口が見つからないかと訪れたわけです。

窓口ではそれ以上に具体的なヒントを得られることはなく、
私はがっかりして会社に帰ったのを覚えています。
この体験が私が中小企業支援家に転身したきっかけでもあるのですが、、、。

すでに通り過ぎた過去のことをどうこう言われても
今更何かが変わることはありません。
ましてや過去に問題があるからこそ、
未来を変えようと第三者を頼っているのです。

支援者に求められるのは
未来を見据えた提言を行うことです。

キャッチボールする親子

個別相談はキャッチボールのようなものです

わからないことはわからないと伝える

中小企業支援に携わっているからといって
経営者を上回るような知識を持ち合わせているとは限りません。
対話の過程で、初めて聞く単語を耳にすることがありますし、
特定の業界の常識など初めて知ることもあります。

例えば半導体やICT関連の事業者とお話しする際、
技術についてはまったく話しについて行くことはできません。

そうした場面に遭遇した時、
知ったかぶりをするのはもってのほかで、
わからないものはわからないと言って
教えを乞う姿勢が大事です。

何やり嫌われるのは知ったかぶりをすることで、

「本当にわかっているのだろうか」

「適当に話を聞いていないか」

と信頼を損ねることに直結します。
虚勢はあっという間に見抜かれるのです。

私自身は経営者とお話しする際、
「なぜ」「どうして」
とできるだけ質問するようにしています。

「なぜこの取り組みを始めたのですか?」

「どうしてこの事業が重要なのですか?」

「10年後、どうなっていたいですか?」

といった感じ。

私が一方的に所感をお伝えするよりも
経営者が私の質問に答えようとすることで
思考を深めてくれるように期待しています。

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