新規顧客はどこにいるか
新規顧客を増やし続けるのは商売の基本。
ではどこに新規顧客は存在するのでしょうか。
SNSは魔法の杖ではない
個別相談を実施していて、
本当にたくさんの事業者が勘違いしているのが
「SNSさえ使えば新規顧客を獲得できる」
というもの。
※獲得、という言葉の響きも嫌い
SNSさえやればすべてが解決するというのは
まったくあり得ない話です。
そうした誤解を抱いている事業者に限って
顧客名簿を整備していない、
メルマガを数回だけ発行してやめている、
スタンプカードは値引きのためにしか使っていないなどと
既存顧客との関係性構築を疎かにしています。
また最近では
「ショート動画を投稿してみたところ、いきなりバズった」
などと喜んでいる人がいますが、
アルゴリズムに下駄を履かされているだけ。
必ずしも動画の内容を評価されているわけではなく、
初心者にはある程度の再生数を確保するように仕向けているのです。
ましてや経済安全保障上、
問題があるであろうSNSを使っている時点でアウトです。
SNSに振り回されたところで
新規顧客を増やすことはできません。
売上を増やそうとする地方中小企業に必要なのは
SNSに垂れ流されているキラキラと(したように見える)投稿に惑わされることなく
地道に商売の王道を行うことです。
新規顧客はどこにいるか
では新規顧客(候補)はどこにいるのか。
ずばり、すぐ目の前にいます。
既存顧客の知り合い、地域の住民・事業者、
いつも気にはしているけど店の前を素通りしている人など。
まったく関係性のない顔も名前も知らない人から売上を作ろうとする前に、
まずは目の前にいる新規顧客(候補)に接触を試みるべき。
これらの人にアクセスするには
SNSに頼るのではなく、ドブ板営業が必要です。
なぜドブ板営業なのかというと心を掴むのに最適な方法だから。
人は何も知らない人からの無理強いを何より嫌います。
商売に置き換えるなら、何も関係のなかった人から
「うちの商品を買ってください」
と言われるほど嫌われることはありません。
反対に、
関係性を構築した人からの言葉であれば、
素直に聞き入れてくれる確率は高まります。
まずは心の間合いを詰めるための行動(ドブ板営業)をし、
言葉を交わせる関係性を築きましょう。
例えば、
・セールス色の薄いニュースレターを発行して
既存顧客が購買する度に手渡しする
・地域住民向けのサービスデーやイベントを実施する
・既存顧客が知人を紹介したくなるような仕掛けを用意する
などの地道な取り組みを試してみましょう。
ドブ板営業ほど効果を発揮する営業手法はないのに、
売上に悩んでいる事業者ほど敬遠してしまっています。
すぐ目の前にいる新規顧客(候補)に
十分な手間を掛ければ関係性を構築することは可能なのです。
そもそも営業しないと売上は作れない
ある経営者とお話ししたときのこと。
財務のアドバイスは不要とのことだったので
それまで財務諸表を見せてもらうことはありませんでした。
ところが決算の速報値が予想より悪いというので、
数字の資料を見せてもらうことになりました。
気づいたのが単純に営業不足であるということ。
目の前の業務だけに取り組んでしまい、
新規顧客を増やす努力をしていなかったので
売上を作ることができていませんでした。
そのことをご指摘すると同時に対策として
・報奨金制度の創設
・経営者自ら営業の先頭に立つ
の2点を提案しました。
報奨金制度は営業担当者だけでなく全従業員に適用するものです。
新しい顧客を連れてきた従業員に
一定条件を満たせば報奨金を支払う仕組み。
また、それまで営業担当者だけに任せ、
「訪問数が足りない」と叱責していたらしい経営者に
自ら先頭に立って営業することをお願いしました。
結果が出ないのは行動しない従業員が悪いのではなく、
仕組みを作っていなかった経営者の責任。
報奨金制度でモチベーションを生み出すとともに、
行動することの重要性を背中で示してもらおうと考えたのです。
この取り組みは現在進行中。
さっそく商談が実現したとの報告を受けていて、
経営者も目の色を変えて取り組んでくれています。
商売を継続するのであれば、
既存顧客へのフォローと
新規顧客の開拓は行動し続けなければならないもの。
どちらも地道な行動が必ず結果を導きます。
SNSなどに振り回されることなく、
地に足をつけて行動していきましょう。
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