地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

地方中小企業は「成長」への執念を持っているか

新しいことに挑戦し続けないと
現状維持すら実現しません。
経営者には事業を成長させ続ける覚悟が必要です。

ある経営者の変化

ある関与先の経営者とお話しした時のこと。

私と契約していただいた当初は
「現状維持できればそれでよい、
後継者がいるので事業承継できるように手伝ってほしい」
とおっしゃっていました。

決して十分な利益を得られている会社ではありません。
それにもかかわらず、
現状維持できれば良いというのです。

私が家業の代表取締役に就任した当時、
会社は前例踏襲主義に陥っていて、
1990年頃までの強烈な成功体験をいつまでも引きずり、
進取の気性が失われてしまっていました。
戦後に法人化した後しばらく、高度成長期の間は、
ただの京都の茶わん屋にも関わらず、
斬新な商売のスタイルを生み出し続けていたのに。

常に新しいことに挑戦し続ける姿勢を失わせたのは
従業員が悪いのではなく経営の責任です。
経営がビジョンを示せなくなったために、
従業員は昨日と同じことをやり続けるようになったのです。

そうした家業の状況を
誰よりも近いところで見聞きしていたのが
創業家14代目の私。
中小企業支援家に転身してからは
個別相談に訪れる地方中小企業の経営者に
「常に新しいことに挑戦し続けましょう」
と具体的な知恵とアイデアと共に背中を押すようにしています。
「経営に現状維持はない、
立ち止まった途端に下降し始めます」という言葉も添えて。

冒頭の地方中小企業にお邪魔するようになり、
しばらく経ったときのこと、
いつものように経営者親子とお話ししていると
「小さなことでも新しいことに挑戦できている」
と社内の変化を教えてくれました。

また、
「地方中小企業に現状維持という選択はない」
ともおっしゃっています。

私が関与するようになり、
経営者に成長への執念が芽生えたように感じました。

日本を代表するような企業でも成長に執着している

SONY新生第3幕1 「成長にこだわろう」 – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69642910X20C23A3EA1000/

今日の日本経済新聞には
ソニーの新社長の言葉が紹介されていました。
「事業や会社は成長が停滞するとネガティブスパイラルに陥る」
と危機感をあらわに成長への執念を言葉にしていました。

年間売上高が約11兆円のソニーですら、
現状維持しようなどと考えていません。
何もしなくてもしばらくは事業が存続できる(であろう)大企業も、
成長にこだわりつづける姿勢を経営者自らが示しているのです。

ソニーなどと桁違いに規模の小さい地方中小企業は
なおさら現状維持など絵空事です。
成長させ続けようとしない限り、
事業の持続可能性を担保することはできません。

地方中小企業の経営者の仕事は
新しい事業の種を探し続けること
従業員の挑戦を後押しし続けること
そして、
成長への覚悟を従業員に語り続けること
です。

身長を測る子ども

成長への執念

拙速は巧遅に勝る

これまで中小企業支援家として
さまざまな地方中小企業の経営者や
創業を志す方と対話を重ねてきました。

成果を生み出す人に共通しているのは、
動き出しが早い
ということに尽きます。

できない理由を探し続けたり、
誰かに任せようと自分で動こうとしなかったり、
そもそも、
それまでのやり方ばかりに固執したり
といったこととは無縁です。

私が提案した知恵やアイデアに共感したらすぐに動く、
あるいは、
連想して新しい行動にすぐに着手する
といった具合でとにかく行動が早いのです。

「拙速は巧遅に勝る」という言葉があります。
完璧を期して遅くなるようなら、
多少の失敗が予測されたとしてもさっさと取り組めということ。

地方中小企業が成長し続けるには、
常に新しいことに挑戦し、
失敗を恐れずに迅速に経験を重ねることが必要です。

私のかつての家業のように
ささやかな成功体験にすがりついたところで、
せいぜい数十年しかその事業は存続しません。

成長のエンジンとなる新しい事業へバトンをつなぐには、
経営者が抱く成長への執念と
素早い経営判断が求められます。

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