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コラム

士業マーケティング 事務所を借りない、人を雇わない

確定申告の時期なので、
昨年の自分の経費の使い方などを振り返っています。

なぜ事務所を借りたがるのか

開業したばかりの士業にありがちなのが
顧客もいないのに事務所を借りてしまうことです。

実はかつての私も同じ失敗をしていて、
2015年に開業届を出した後に
銀座のシェアオフィスを1年借りていました。

当時の思考は

・自宅で開業するのは格好悪い

・銀座の地名があれば問い合わせが増えるはず

・いずれはちゃんとした事務所を構えよう

といったものでした。

ところが1年経っても
シェアオフィスを借りているメリットを感じることができず、
月数万円の固定費を垂れ流すことに負担感を覚えたので解約。
自宅での登録に変更してしまいました。

その後、何か不利益が生じたこともなく、
現在も事務所を借りることなく活動しています。

開業したばかりの士業には
いろいろと不安がつきものですが、
逆に言えば、
真っ新な状態から事業を始めることができます。

一度、事務所を構えてしまえば
その後、事業を成長させた後に撤退するのは困難。
開業直後の真っ新な状態だからこそ、
自分らしい働き方を実現するチャンスです。

その事務所、本当に借りる必要がありますか?

なぜ人を雇いたがるのか

ある関与先での出来事です。

育児休業を取得する従業員が発生したとのことで
ハローワークに求人票を出しているそう。
ところがまったく問い合わせに結びつかず、
どうしたら採用することが可能になるかと聞かれました。

まず私が提案したのは
全従業員のスキルマトリクスを作成すること。

つまり、
従業員一人一人ができること、できないことを
主要業務毎に一覧表へ可視化することを提案しました。

いざスキルマトリクスを作成すると
驚くべき実態が露わになりました。
現在の担当業務しか身につけていない従業員が多く、
従業員20人未満の地方中小企業なのに
業務の「蛸壺化」が進んでいることが判明したのです。

例えば

「経理の○○さんは伝票の発行業務にはまったく関知していない」

「物流の○○さんは物流しかやりたくないと言うので、
他の業務を手伝わせたことがない」

「出荷間際の忙しい時間帯に
手の空いている他の従業員が率先して手伝おうとしない」

といった実態が明らかになりました。

この状態では、
新たな人材を採用したとしても
全社の人手不足感を解消することには結びつきません。

私がさらに提案しているのは
全従業員に現在の担当業務以外も
実務をこなせるようにスキルを身につけさせること。

「特定の誰かが担当の業務だから私は知らない」ではなく、
いつでも誰でもどの業務でもこなせるような状態、
つまり多能工化を会社の方針として目指すことを提案しました。

開業したばかりの士業でも同じことが言えます。

ある程度成長しつつある士業事務所というと
資格を持っている先生がいて、
事務担当者が数名いて、営業担当が数名いて、、、
という状況をイメージするかもしれません。

でもその姿が本当に効率の良い状況なのでしょうか。

人を雇わなくても、増やさなくても
顧客に価値を提供できるような仕組みを作れないのか。

人を雇わなくても、増やさなくても
見込客から連絡が入り続けるような仕組みを作れないのか。

人を使うことを当たり前とせずに
自分らしい士業事務所を目指しましょう。

何もない事務所の内部

その事務所、本当に必要ですか

情報発信が重要

事務所を借りず、
人を雇わなくても士業事務所を成長させることはできます。

そのために避けて通れないのが情報発信です。

・自分は何者なのか

・どのような背景があって士業事務所を営んでいるのか

・どのような業務を手掛けたいのか

・仕事に対してどのような考えを持っているのか

こうしたことを発信しないことには
見込客を作り、業務を発注してもらうことは実現しません。

効率化できることがある一方で、
情報発信を省くことはあり得ません。
地道に知ってもらう努力を続けることで、
安定した事務所経営が可能になります。

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