士業マーケティング 客員教授と社外取締役になる方法
先日、ある投資ファンドと話した際に、
客員教授と社外取締役へ、
どういう経緯で就任したのかと尋ねられました。
客員教授になった経緯
私立大学の客員教授に就任したのは2020年9月です。
きっかけはその大学の学長が企画した、
企業の幹部候補向け勉強会で講演させてもらったことでした。
当時はコロナ対応がまだ落ち着かない時期。
運営の方も不慣れな様子ながらもオンライン形式で開催してくれました。
関西方面の団体でしたので私は福岡からリモートで講演し、
家業を事業譲渡した経緯と、
その間の経営判断について60分間ほどお話しさせてもらいました。
勉強会の大きなテーマは
イノベーションをし続けることで企業の存続が可能になる
というもので、
進取の気性を失ったが故に、江戸時代から続く家業を
投資ファンドに事業譲渡せざるを得なくなった私の家業の話は
まさにテーマに合致する事例だったのでしょう。
事後にアンケートを集計して送ってくれる主催者で、
(アンケート結果を丁寧に教えてくれる主催者は案外少ないです)
受講者からは
・今まで成功体験などのうまくいっていた、うまくいった話が多かったが、今回のような体験談を聞けて良かった。
・お話されるにもけして明るい気持ちにならないであろうに、少しでも自信の経験が役に立てばという思いが、ひしひしと感じられました。
・自社の経営者以外の方と直接接する機会は多くないため、大変参考になった。業績が順調な時ほど、新しいことにチャレンジする、誠実な対応をする。ことを念頭に行動していきたい。
といった感想をもらうことができました。
学長から声を掛けていただいたのは講演直後のこと。
Zoomのブレイクアウトルームで二人になり、
その場で客員教授になってくれとご依頼がありました。
社外取締役になった経緯
初めて社外取締役に就任したのは、
放射性炭素年代測定や
バイオマス度を測定するサービスを提供する会社です。
経営者ご自身とは繋がっておらず、
部活の先輩から紹介していただきご縁をもらいました。
後から知ったのですが、
顧問弁護士が私の幼なじみで、
世の中、どこかで人の縁は繋がるものだなと感じました。
この会社への関与の仕方は
3ヶ月に一回行われる取締役会への出席のみ。
コロナ以降は取締役会もリモートでの開催で
会社に出向くのは毎年の株主総会時のみです。
顧問契約にしても同じことが言えますが、
私をどう使うかは経営者が決めることです。
日々、議論する相手として確保しておきたいのか、
対外的に名前を連ねていることに重きを置くのか、
それは経営者が判断してくれれば良いのです。
「社外取締役であるからにはこのように従事すべき」
とか
「顧問であるからにはこのように関与すべき」
という考え方は人それぞれあることでしょう。
私の場合は柔軟に
法令で求められる取締役の義務を果たす範囲において、
好きに使ってもらえればよいと考えています。
客員教授と社外取締役になるには
士業などの専門家にとって、
客員教授や社外取締役になるというのは
単なる顧問契約よりも魅力的なものです。
ではどうすれば、
これらの役職に就けるようになるのでしょうか。
私は
同業者に埋もれない真の強みと個性の発信
が何よりも重要だと考えます。
全国の大学に電話をかけて、
「客員教授をやらせてください」
といったところで相手にされることはないでしょう。
また同じように中小企業に連絡し
「社外取締役になりたいです」
と言おうとしたところで、
そもそも経営者に取り次いでもらえることもないでしょう。
つまり、
こちらから声を掛けるのではなく、
大学や中小企業から選ばれる仕掛けが必要なのです。
大学や中小企業が
客員教授や社外取締役を増やそうとしているのであれば、
ただの社会保険労務士や専門家ではおもしろくありません。
何か特色があって、
他の同業にない強みを持つ人物を見出したいはず。
そこで
同業者に埋もれない真の強みと個性の発信
が必要になるのです。
私の場合は自分の専門家としての立ち位置を
「江戸時代から続く家業を投資ファンドに事業譲渡した、
元経営者の中小企業支援家・社会保険労務士」
としています。
この立ち位置はおそらく他にいないでしょう。
自分の立ち位置をしっかりと定め、
その強みと個性を発信し続けること。
客員教授と社外取締役になるために
まず取り組むべき事です。
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