地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

まっとうな経営が最大のリスク回避になる

様々な地方中小企業と接していると
目先のトラブルから逃げようと小細工し、
結果、大きな損失を被ってしまう場面を目撃することもあります。

銀行にはすべてをさらけ出す

「赤字決算の資料を見せると
取引に支障が生じるかもしれない」
などと考えて、
銀行に提出する資料を操作している経営者がいました。

銀行と関係性を築く上で、
提出資料の数字を改ざんするのは最大の悪手。
数字を操作したところで
事業の実態と乖離が生じてしまうわけで、
この矛盾はいずれは必ず、銀行担当者に見抜かれます。

銀行に噓をついてしまうと
その後、応援してもらえる可能性はかなり低くなります。

当たり前の話です。

銀行も一定のリスクを取って応援しようとしているわけで、
噓をつくような地方中小企業と付き合えるわけがありません。

正確な資料を作成し提出するというのは
ごく当たり前のこと。
どんな状態であったとしても、
銀行に応援してもらいたいのであれば
すべてをさらけ出して交渉する必要があります。

説明責任を果たす

窮境に陥っている経営者に特に多いのが
自らの言葉で状況を説明できない人です。

支払うべきものを支払えなくなった状況を考えてみましょう。
これはある意味、仕方のないことで、
手元の資金が足りないのであれば
支払いたくても払うことはできなくなります。
長く商売を続けていれば誰でも起こり得ます。

重要なのはその前後のフォロー。

事前に判明した時点で通知しているか、
その後いつになれば支払うことができるか、
今後の資金繰りの見通し、
といった内容の説明をできるかどうかで、
窮境に陥っていたとしても応援される経営者と
そうでない人を分けることに繋がります。

プレゼンや商談の席では雄弁に事業を語っていたとしても
それは経営者であるからには当たり前のことです。

苦境に陥った時にこそ
自らの言葉で説明できるかどうか、
利害関係者を納得させられるかどうかが
経営者の資質を表します。

分かれ道

迷ったら正しい方を選ぶ

まっとうな経営が最大のリスク回避になる

私が家業の経営を担っていた5年間は
・1990年から下がり続ける売上
・銀行から支援を受け続けている資金繰り
・業績の悪化を憂慮する仕入先60社
などの課題にどう対応するか追われる日々でした。

加えて、
品質保証と取引慣行に関する不祥事を行政から指摘され、
突発的な対応を迫られることも発生しました。

こうした逆風下で思い至ったのは
・トラブルには真っ正面からぶつかっていく
・経営者の言葉で説明をする
の2点でした。

もし当時の私が、
不祥事を隠そうと小細工をしたり、
銀行に自らの言葉で支援を要請しなかったり、
あるいは、
仕入先との関係性構築から逃げたりしていれば、
あっという間に経営は破綻していたことでしょう。

多くの方に支えられた家業で、
軟着陸を果たせた要因の一つは、
「まっとうな経営」が会社の文化であったこと。
従業員と経営者が受け継いできた文化が
会社を存続させたのだと思っています。

地方中小企業を経営していると
日々さまざまな事件が発生することでしょう。
自らが引き起こしたこともあれば、
周囲に巻き込まれたものもあるのかもしれません。
そうしたトラブルを乗り越え、
あるいは回避するためには
「まっとうな経営」こそが最大の武器になります。

迷ったら正しい方を選ぶ。
私が今でも心掛けていることです。

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