「正しさ」ばかり主張してもファンは増えない
地方中小企業の経営者の仕事の一つは
ファンを増やすことにあります。
どのように行動すれば良いのでしょうか。
ファンが増えない経営者の思考
ある地方中小企業の経営者と話した時のこと。
経営不振に陥っている状況を
「コロナで営業できなかった」
「私は補助金で潤っている他の事業者とは違う」
「営業先の担当者が代わり商談がリセットされた」
と説明してくれました。
おそらくこれらは事実なのでしょうが、
事業の将来に結びつく思考・発言かというと疑問です。
その後、この経営者からは人が離れていき、
事業は存続を断念せざるを得なくなりました。
事業に降りかかってきた事象を
それらしい他者や環境のせいにするのは簡単。
しかしそうした思考では
事業を応援してくれるファンが増えることはありません。
ではどうしたらファンを増やすことができるのでしょうか?
「正しさ」ばかりを主張せずに「惚れさせる」
地方中小企業の経営者に求められるのは、
困難に見舞われても事業を存続させること。
事業を存続させないことには、
商品・サービスを通して
社会に価値を提供することができないからです。
さらに論を進めると、
事業を存続させるためには
顧客はもちろん、利害関係者に
熱心に応援してもらう必要があります。
利害関係者に応援してもらうには
「正しさ」ばかりを主張しようとせずに、
「惚れてもらう」ように仕向けることがポイントです。
「○○社長が取り組むことであれば応援したい」
「今の業績は悪いけれども、ぜひ取引させてもらいたい」
「一緒に○○社長の夢を実現する手伝いをしたい」
「今の困難を克服し、一緒に喜び合いたい」
「難しいことには今は目をつぶり、一緒に前に進もう」
こうした思考をしてくれるファンを増やせばいいのです。
「惚れさせる」にはどうしたらよいか
事業を応援してくれる熱心なファンを増やすために
地方中小企業の経営者はどうすれば良いのか。
例えば
・事業が生み出す社会的価値を繰り返し伝える
・事業に取り組む経営者の覚悟を繰り返し伝える
・困難な状況を隠さずに伝えて、
応援しがいのある「余白」を見せる
といったことが考えられます。
事業が生み出す社会的価値を繰り返し伝える
単に儲けたいから事業を手掛けているのでは
応援してくれる人は現れません。
「どうぞ勝手に儲けてください」と
突き放されてしまうだけです。
その事業がもたらす社会的価値は何なのか?
なぜその事業に取り組もうと考えたのか?
こうした経営者の考えを
繰り返し発信すれば共感してくれる人は増えます。
大事なのは一度だけ発信しても
誰にも伝わらないということ。
口頭やブログ、ニュースレターなどで繰り返し伝え、
ようやく理解者が現れます。
事業に取り組む経営者の覚悟を繰り返し伝える
覚悟を持たない経営者に人はついていきません。
「どうせすぐにあきらめるだろう」
「うまく行かなくなったら逃げるだろう」
などと思われないためにも、
多少の困難に見舞われたとしても
事業を断固やり抜く覚悟を示します。
逃げずに取り組む姿勢に
人は共感し、応援したくなるものなのです。
応援しがいのある「余白」を見せる
完璧な状態であるならば
応援する必要はありません。
すでに完成しているのですから。
強がって虚勢を張ったり、
背伸びした自分を見せてしまうと
応援しようとする意欲が大きく損なわれます。
逆に
困難に見舞われている状況を率直に伝えることで
「応援」の余地が生まれ、
人は後押ししたくなるものです。
まとめ
経営者自身の考える「正しさ」ばかりを発信しても
応援してくれる利害関係者が増えることはありません。
事業を存続させるために必要なファンを増やすには
相手に「惚れてもらうよう」に仕向けることが必要です。
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