士業マーケティング 事務所経営のイノベーション
士業事務所の経営も事業会社と同じです。
既存事業にいつまでも囚われていると
いつの間にか時代に取り残されてしまいます。
「独占業務」の罠
士業は法律により独占業務を与えられています。
資格試験に合格し登録すれば、
事務所経営に集中することができるのです。
法律に守られているので
他士業に浸食される心配は(ほぼ)ありませんし、
資本にものを言わせる民間が参入し、
零細事務所の仕事を奪われる心配も(ほぼ)しなくて済みます。
しかし独占業務があるといっても、
同業者同士の競争は存在します。
独占業務のみを手掛ける前提の競争環境下では
理論上はそれぞれの士業事務所は均一化していき、
どこかが一人勝ちするということは
起こりづらいはずです。
どういうことかというと、
独占業務のみを手掛ける士業事務所を
大きく成長させることは困難だということ。
情報発信に注力し、
個性と世界観を発信したとしても
一定程度までの成長は可能でしょうが、
その他大勢の士業事務所に
劇的な差を付けることはできません。
その結果何が起こるかというと、
薄利で常に新規顧客を追い求めることになります。
心当たりはないでしょうか?
「他の事務所の方が顧問料が安いと言われた」
「距離が近いという同業に乗り換えられてしまった」
「狭い地域での顧客の奪い合いに疲れた」
こんな状態に陥ってしまうのです。
独占業務は業務の質を担保するためにも
必要な法律的枠組みだと思います。
しかし商売上は、
独占業務のみに寄りかかった経営では
必ずしも持続可能性が担保されるとは言えません。
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」によると
社会保険労務士の平均年収は484万円だそう。
令和2年の厚生労働省家計調査では
全年齢の年収中央値は437万円。
この年収に満足するかどうかは
人それぞれの判断です。
しかし私は士業として一国一城の主になった場合に
この金額では満足できません。
顧客に顧問料を上回る価値を提供し、
さらに持続可能な事務所経営を実現するには
独占業務だけを手掛けていたのでは
物足りないのです。
独自化が必要
士業事務所が
成長し続けるために必要なもの、
それは独自化です。
独占業務に依存せずに、
独自の立ち位置を築き、
同業と競争せずにすむ環境に自ら身を置くのです。
私の場合は
社会保険労務士岡田事務所を開業していますが、
社会保険手続き代行や給与計算など
いかにも社会保険労務士らしい業務はほとんど手掛けていません。
なぜなら、
他にいくらでもこれらの業務に長けた先生がいるからです。
私が社会保険手続き代行や給与計算を手掛けたとしても
顧客に十分な満足を与えることはできないのです。
提供するサービスの価値が物足りないとなると
報酬を下げたり訪問頻度を増やしたりと
効率を下げてでも業務に取り組まねばならず、
事務所経営の採算はみるみる悪化していくはず。
そこで私は
中小企業支援に特化したサービスを提供しています。
独自の立ち位置を築くことで
相場よりかなり多めの顧問料を頂戴できますし、
同業との競争に神経をすり減らす必要もありません。
余裕が生まれるので
さらに顧客の満足度を上げる取り組みを
実施することが可能になります。
注意点は
イノベーションに終わりはないということ。
常に新しいことに挑戦し続けなければ、
独自の立ち位置を占め続けることはできません。
競争を回避したからこそ生まれた余裕で、
次の独自化を探り続けるのです。
当事務所のイノベーション
詳細はまだ差し控えますが、
社会保険労務士岡田事務所も今年は新規事業に挑戦します。
全国にいる4万以上の同業と
社会保険の手続き業務などで競っても
距離の近さや価格の安さで比較されるだけ。
社会保険労務士でないと手掛けられない、
かつ、
私が手掛けることで競合優位性を築くことができ、
もちろん、社会的責任を果たす事業に
取り組みたいと考えています。
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