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コラム

この世の中で起こることは全て経営者の責任

地方中小企業の経営者をしていると次から次に難題が降りかかってきますが、それは世の中や人のせいではなく全て経営者自身の責任です。

いつまでもコロナのせいにする経営者

「コロナのおかげで営業できなかった」

「コロナのせいで売り上げが下がった」

と、いつまでも業績不振をコロナのせいにしている経営者がいます。

よくよくお話を伺うとコロナ前から事業性が乏しい方がほとんど。先回り営業せずに商品の開発・生産を進めていたり、政治や行政ばかりに気を取られて顧客と向き合っていなかったり。地に足をつけて商売をしていなかったツケが、たまたまコロナと重なっているだけです。

またよく見かけるのが、コロナ関連の補助金や交付金に気を取られてしまっていた経営者。もらえるものをもらおうと考えるのを否定しませんが、同時進行でコロナ後に備えておかないと、いつか正常化した時に大きく出遅れてしまうのは明らかでした。

法人の代表という意味

コロナに限らず、経営をしていて日々起こる出来事は、全て経営者の責任です。従業員から文句を言われるのも、取引先から値上げ要請が来るのも、そもそも思うように売上を作れないのも、すべて経営者の責任なのです。

私が家業の経営を担っていた当時、過去から積み上がった負債に身動きが取れない状況でした。私が経営者になってからも借入はしましたが、総額を減らし続けたばかりか、最後は全てを清算しています。

当時の状況を

「私が作った負債ではない」

「あの時あんな条件で早期退職制度を運用しなければ」

「あの頃にさっさと遊休不動産を売却していたら」

などと振り返っても何も生み出しません。従業員の前ではもちろん、過去からの経緯を把握しているはずの金融機関担当者の前でも、責任逃れと取られるような発言はしなかったつもりです。

経営者になったからには、つまり法人の代表権を持ったからには、過去からの経緯も含めて責任を負うのが務めです。理不尽と言えば理不尽な立場ですが、個人ではなく法人の代表なのだから当たり前です。

ある法人の理事長と話したときのこと。

思うようにならない団体運営について、

「私は名前だけの理事長なので」

「実務はお任せしていますので」

と言って憚りません。

法人の代表として登記されている重みを理解していないのです。立派な法人格を持った組織の代表になった以上、「名前だけ」とか「実務はわからない」というのは中にも外にも通じません。何かあった際に法的な責任を、最後に負うのは代表者です。

本当に名前を貸すだけであったり、活動内容を把握していないのであれば、顧問などの肩書きで名を連ねれば良いのです。

案の定、その組織のガバナンスは崩壊。未来像を描く人材にも欠いていて、窮境に陥っています。

赤信号

法人の代表権を持つ重さを自覚しましょう

信号が赤になるのも経営者の責任

私が次期経営者によく伝えているのは「信号が赤になるのも経営者の責任」という例え。

商売の現場に立つ以上、不測の事態は起こり続けます。その時に対応できないのを外部要因のせいにするのは過ちで、全ては経営者が引き起こした必然の出来事だと捉えて欲しいのです。

逆に言うと、経営者はあらゆる状況を自分の思うように漕ぎ進めていくことができます。何が起ころうが、どう対応するかは経営者の自由。代表権という重い責任を持つからこそ、事業運営上の全権を与えられています。

嵐がやってきた時に空を見上げて呆然とするのか、ピンチをチャンスに変えようと腕まくりをするのか。困難に見舞われたときこそ、経営者の資質が問われます。

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