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コラム

士業マーケティング 顧客名簿を濁らせない方法

顧客名簿が「濁る」とはどういうことでしょうか。

顧客名簿は資産

士業事務所の一番の資産は何でしょうか。
私なら顧客名簿と答えます。

資格や知識は
努力さえすれば誰でも得られるものです。
一方で顧客名簿は
一朝一夕に作り上げることはできません。

お金で買えるようにも思えますが、
関係性を構築できていない、
名簿上の文字は真の顧客ではありません。

江戸時代の商家は
火事が起きると真っ先に顧客台帳を
井戸に放り込んで焼失を防いだそうです。
資金や商品は後からどうにかなりますが、
顧客台帳を失うと再現することは困難だったのです。

士業事務所にとって
顧客名簿は売上の源泉。

さらに言うと、
この顧客名簿の質をいかに高めるかが重要です。

名簿上に記載されていても
・いつまで経っても関係性を深められない
・情報をタダで得ることにのみ関心がある
・距離の近さや価格の安さだけで選んでいる
といったような経営者や担当者は
望ましい顧客ではありません。

望ましくない顧客が名簿に名を連ねると、
つまり顧客名簿が「濁ってしまう」と、
士業本人にも、他の顧客にも悪影響を与えます。
無駄な労力を費やさざるを得なくなったり、
価値観が合わずに業務に支障が生じたりといった具合。

持続可能な事務所経営を実現するためには
顧客名簿の名前を増やし続け、
かつ、
質を高め続ける努力が必要です。

顧客を育てる

私には顧客名簿をゼロから作った経験があります。

中小企業支援家に転身し、
行政が新たに設置した
ビジネス支援センターのセンター長に就任した時のこと。

利用者、つまり顧客をゼロから増やさないことには
行政が求める成果を生み出すことも
ままならない状態からの立ち上げでした。

私が手掛けた方法は別の投稿に書いています。

初めての土地で顧客名簿400件を作った方法

2017年から2022年3月まで、 地方自治体の外郭団体で ビジネス支援センターのセンター長を務めていました。 まったく縁もゆかりもない土地で どのように顧客を増やしたかを書いてみます。 来所者ではなく「顧客」である 公的支援機関の立ち上げと同時に、 責任者として採用してもらいまし…

顧客名簿を育てることを意識して行動し続けた結果、
5年間で2,600件以上の個別相談実績を積み上げ、
支援事例120件以上がメディアに掲載されました。

また、ある女性への創業支援事例が
当時、経済産業省が主催していた
女性起業家支援コンテストで
個別支援部門の優秀賞をいただくことにも繋がりました。

井戸

顧客名簿は資産です

顧客名簿を「濁らせない」ために顧客を選ぶ

質の高い顧客名簿を作るためには
顧客になり得ない人を排除する勇気も必要です。

つまり、
顧客名簿を「濁らせない」ようにするのです。

顧客が士業を選ぶように、
士業も顧客を選ぶことができます。

具体的には、法に触れない範囲で
・価格に納得していただけない人からの依頼を断る
・社会人としての感性が合わない人からの依頼を断る
・望ましい「顧客像」から乖離している人と付き合わない
といった行動を取れば良いのです。

私がビジネス支援センターの運営をしていた時に
どのような事業者を顧客と見なしていなかったかというと

・自分で努力をしようとせずに、
楽に稼げる方法ばかりを知りたがる

・そもそも事業性がゼロかほぼゼロで、
すでに商売が成り立っていない

・私の人脈やネットワークを目的に
近づいてこようとする

といった事業者です。

こういった人々は、
私の頭の中にある顧客名簿からは除いていました。

(私の想定する「顧客」と見なしていなかっただけで定められたサービスは提供していました
公的機関なので私の独断でお断りするわけにはいかなかったのです)

99%の事業者は規模の大小に関係なく、
「今より良くなりたい」と行動していましたが、
残念ながら望ましくない人も一定の確率で現れてしまうのです。

こうした人々に手間を取られないようにコントロールし
99%の事業者に全力で支援を実施するためにも
顧客か顧客になり得ないかの選別は必要でした。

士業事務所の経営も商売。
そして商売の基本は、
顧客名簿を増やし続け、その質を高め続けることです。

顧客が士業事務所を選ぶように、
士業事務所も顧客を選び、
提供できる価値を最大化していきましょう。

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