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コラム

経営コンサルタントと中小企業支援家の違い

地方中小企業の経営に携わっていると
様々な経営コンサルタントを見聞きします。
私のような中小企業支援家と何が違うのでしょうか。

経費削減しか提案できないコンサルタント

家業の代表取締役をしていた当時、
金融機関から紹介された大手コンサル会社は
まったく相性が合わず、
思うような効果を生み出せまま去って行きました。

もちろん事業を実施するのは会社であり、
すべては代表取締役の責任です。

しかしその大手コンサル会社が提案するのは
経費削減に関する項目のみ。

・早期退職制度で人員を減らせ
・赤字の店舗を閉鎖しろ
・あらゆる不動産をさっさと売却しろ
といった具合。
それくらい自分たちでも思いつきます。

できない理由があるからこそ
外部の支援を必要とする窮境に陥っているのです。

そもそも、事業を存続させるには
売上アップを実現するための
知恵とアイデアが必要。

しかしその大手コンサル会社は
「売上を作るのは会社の責任で行ってください」
「我々は茶わんやではないので売り方はわかりません」
と言うのです。

経費削減だけを指南し、
その瞬間、
利益が増えたように見せかけるしかできないならば、
例え取引金融機関からの紹介であったとしても
大手コンサル会社の能力不足は明らかです。

私が関わったこの大手コンサル会社のように
売上アップの具体的な知恵とアイデアを
提案できない支援者は
地方中小企業にとって百害あって一利なしです。

話を聞かずに支援を始めようとするコンサルタント

私の社会人経験は、
地方中小企業の営業担当から始まりました。

商品を包装する方法、
各種伝票の書き方、
のし紙の種類などを
百貨店の現場で学ぶことが第一歩でした。

その際に痛感したのが、
まずは顧客の話を聞くのが重要だということ。
・何に使うのか
・何に困っているのか
・予算はいくらなのか
・いつ使用するのか
などなど。

まずは情報をいただけないことには
その後の接客も進めようが無いのです。

こうした経歴の私は、
家業を投資ファンドに事業譲渡した後に、
中小企業支援家に転身しました。

支援する側に変わったといっても、
気分は「サービス業の社長」です。

地方中小企業の経営者や創業を志す方に対し、
売上アップを実現するための
知恵とアイデアを提供するわけで、
私が「魔法の杖」を振るうわけでも、
経営者に替わって経営を担うわけでもありません。

かつて茶わんやで店頭に立っていた時と同じく、
経営者に困りごとを打ち明けてもらい、
無形の商品・サービス、
つまり知恵とアイデアを受け入れてもらうのです。

中小企業支援家に転身して6年目。
さまざまな機関で働く同業者を見聞きしてきました。
そんな同業者の一部を見て驚くのが
経営者とろくに対話することなく、
一方的にアドバイスを始めようとすること。

「こんな補助金があります」
「こんな企業を紹介できます」
といった調子で
アドバイスらしきことを続けるのです。
これでは支援の押し売りです。

経営者が貴重な時間を割き、
話しづらいであろう困りごとを
第三者に開示し相談するというのは
とても勇気のいることです。

まずは経営者の話を聞くこと。

・何を目指しているのか
・どうなりたいのか
・何ができなかったのか
・その原因は何だと考えているのか

支援メニューらしきものを羅列する前に必要なのは
経営者に胸の内を明かしてもらうことです。

脚立を使用する職人

中小企業支援家は脚立のような役割を果たします

ある経営者の言葉

私が関わった経営者からの言葉を紹介します。

まず一人目。
「技術のことは詳しくないが、
岡田と話していると頭の整理になる」と
言ってもらいました。

この社長は大学の先生もされていて、
バリバリの研究者でもあります。

独自の技術について
私はほとんど理解できていませんが、
それでも私と話していると
頭の整理ができると言うのです。

もう一人からは
「岡田は経営者に時間が足りないことをわかっている」
と言われました。

こちらの社長は伸び盛りの会社を率い、
自らも営業に全国を飛び回る日々を過ごしています。

そんな社長に対し、
私はもちろん支援メニューの押し売りはしません。
適度な間合いを測りつつ、
お話しさせてもらうように心掛けています。

どちらの社長とも
良い関係性を築けていると自負していて、
その要因は
彼らの言葉を丁寧に聞いているからと考えています。

経営コンサルタントは
先生でも神様でもありません。
経営の解を知っているというなら、
自分で会社を興し、世の中を変えれば良いのです。

私はあくまで中小企業支援家。
経営者に売上アップのための知恵とアイデアを提供し、
独力では手の届かない果実を得てもらうために
「踏み台」となり貢献したいと考えています。

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