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コラム

社長経験者が転職をして感じたこと

新卒で家業の茶わんやに入社し、
2015年に代表取締役を退任。
その後の転職で感じたことを書いてみます。

期せずして第二の社会人人生を歩むことに

家業では
「社長の孫」
「社長の息子」
「社長」
として過ごしていました。

幼い頃から知っている会社がすべてで、
会社の文化がそのまま社会人としての常識でした。

また幼い頃から会社に出入りしていたので
多くの従業員とは入社時、すでに顔見知りでした。
「○○おじちゃん」だとか呼んでいた人が
上司となったり、隣の席に座ることになったのです。

そんな家業も
2015年には投資ファンドへ事業譲渡することに。
経緯については日経トップリーダーに記事化されたり、
講演でお話しさせてもらっている通りです。

日経BPの書籍に取り上げられました

家業を事業譲渡した経緯を 日経BPの書籍で取り上げてもらいました。 過去に日経トップリーダー誌に掲載された記事の再録です。 なぜ倒産 令和・粉飾編 ― 破綻18社に学ぶ失敗の法則 家業の事業譲渡について 私は江戸時代から続く家業を 投資ファンドに事業譲渡したことがあります。 陶…

講演でどんな内容を話しているのか

このところ講演のご依頼が続いています。 改めてどのような内容を お話ししているのか書いてみます。 江戸時代から続く家業の事業譲渡 まずひとつ目のコンテンツとして、 家業を投資ファンドに事業譲渡した経験を お伝えしています。 主に、 ・たち吉がどういう会社であったのか ・なぜ…

投資ファンドに事業譲渡し、代表取締役を退任。
その後、初めての転職を経験したのが2017年です。
地方自治体の外郭団体に転職しました。

行政が新設する、
ビジネス支援センターのセンター長として
地方中小企業や創業を志す方への
支援を担当することになりました。

一度は家業を倒産させ、
社会人人生が終わった人間です。
第二の社会人人生を
中小企業支援家として歩み出すことに
かなり緊張しながら初日を迎えたことを覚えています。

世の中にはびっくりするような人がいる

家業を飛び出すと外の世界には
良くも悪くも様々な人がいることを実感しました。

家業の茶わんやで純粋培養された私。

特に驚いたのが「邪悪」な人の存在です。

例えば
・職場内不倫をし、業務に悪影響を与える
・物品の購入を自分のクレジットカードで行い、マイルを貯める
・不必要な出張を試みて上司と揉める
・昼休みに外出し、時間通りに戻らない
・取引先にキックバックを要求する
といったことを最初の1年で見聞きしました。

もちろん家業でも不祥事はありました。
人事上の事故などをまとめたファイルがあり、
過去に遡って事案の概要を知ることができました。
しかし従業員300〜500人規模で、
トラブルが起きていたのは2,3年に1回。
私の在任中に懲戒処分を伴うような事案は起きませんでした。

世の中、性善説だけでは事業を営むことはできません。
それは行政と密接に関わる外郭団体の事業でも同じでしょう。

それにしても判例集などで読んだような、
「問題社員」が目の前に現れるとびっくりするものです。

上記のようなトラブルは
政治力を力業で駆使して、ほぼ一年で終息させましたが、
転職したばかりの私には貴重な勉強の機会になりました。

当たり前の話ですが
家業とまったく同じ文化の組織などあり得ません。
地域・組織それぞれに固有の文化があり、
必ずしも良い人ばかりでなく、
「邪悪な人」も一定の割合で登場するのです。

メモ帳とペン

邪悪な人から身を守るためには記録を残しましょう

転職は多様性を体感する貴重な機会

転職とは
突き詰めれば異文化への挑戦です。

それまで勤めていた会社を飛び出し、
新しい勤め先に身を投じる。

人も変われば、文化も変わります。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、
転職経験者の平均経験会社数は
男性だと2.89社、女性は3.03社だそう。

長く1つの会社に勤める人も多いでしょうが、
転職をする人は3社くらいを渡り歩くわけです。

私の場合は、
家業を投資ファンドに事業譲渡し、
社会保険労務士資格も保持しながら
転職活動をするという特殊なケースでした。

それでも
びっくりするような人との出会いがあり、
それなりに心を鍛える良い機会でした。

家業だけで過ごしていたなら
絶対に出会わないであろう人と関わり、
まさに世の中の多様性を肌に感じました。

同質性の高い組織に長くいると
思考も同質化していきます。
社外の多様な人と関わり、
適度な刺激を受け、
長く第一線で働けるようにしたいものです。

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