プレスリリースは何のために発信するのか
プレスリリースとは、
報道機関に向けた、情報の提供・告知・発表のこと。
(Wikipediaより)
記者の立場に思いを巡らす
昨日もプレスリリースを発信し、
すぐに新聞社の記者さんから反応がありました。
○○(地域名)にご紹介の施設があるとは、まったく知りませんでした。
障がい児や障がい者をめぐる社会課題に関心を持つ記者がいますので、この件を伝えます。
このように返信をもらうことができたので、
取材会当日にも来ていただけそうな感触を持っています。
さて、このプレスリリース。
地方中小企業は何のために発信するのでしょうか。
一般的に思いつくのは
・(単に)新聞やテレビに取り上げてもらいたい
・新商品や新サービスを知ってもらいたい
・来店のきっかけになればうれしい
といった理由でしょう。
一方で
プレスリリースを受け取る報道機関の記者は
どのようなことを考えているでしょうか。
おそらく
・記事(=商品)を書くためのネタを探している
・記者の探索範囲外の情報が欲しい
・記者の追求しているテーマの関連情報が欲しい
といったところではないでしょうか。
発信しようとする地方中小企業と
それを受信する報道機関の記者。
両者の思惑が重なる部分がないと
プレスリリースの効果は生まれません。
つまり、
記者の立場に思いを巡らし、
報道機関の「商品」である、
記事になるようなネタを
プレスリリースで伝える必要があるのです。
プレスリリースには社会性が必要
私の所に相談に来た事業者が
「過去に自力でプレスリリースを出したが
まったく反応がなかった」
と教えてくれることがあります。
その内容を伺うと
発信者側の一方的な宣伝であることがほとんど。
例えば、
「新商品を発売開始。売価○○円」
「○月○日にイベント開催。周知してください」
といったようなものです。
このような独りよがりな内容では
記者に取り上げられることはありません。
ではどんな要素が含まれれば
プレスリリースに価値を認めてもらいやすくなるのか。
それは「社会性」です。
商品・サービスに社会性を掛け合わせる
以下の取り組みは
私がご支援をした事例です。
どれも何らかの形で社会性を掛け合わせ、
商品・サービスの魅力を増すことができました。
- 美容室オーナーがボランティアで実施した、
七五三向け前髪カットサービス - 売れずに困っていた、
パンケーキミックスの試食会を幼稚園で開催 - お寺で空き瓶回収を始めた税理士
- 産業向け脱硫シートを転用し
介護の匂い問題を解決 - 芸術家の作品売り上げで
学生のための特別授業を開講 - 開業したばかりの士業が
小学生向けに特別授業を開講 - 自宅学習中の学生向けに
手作り味噌キットを配布 - 学びを途絶えさせないために
往復はがきを用いた国語教育を実施 - 外壁塗装店が取り組んだDXで
廃棄塗料が大幅に減少 - 急きょ開発したCO2測定器を学校に寄贈
- 自社の技術を転用し、
送迎バスでの置き去りをなくす - 商店街空き店舗で起業しようとする
女性の夢を支援
これらのような社会性のある取り組みであれば
プレスリリースを発信した際に、
各報道機関が反応してくれる可能性は高くなります。
繰り返しますが、
単なる宣伝をしようとしても
取り上げられることはありません。
そもそも、商品やサービスは
社会の誰かの困り事を解決するものであるはず。
プレスリリースでは
その本質的な価値を伝えるように書き表しましょう。
関連記事