地方中小企業が士業と顧問契約する際に注意すべきポイント
このところ立て続けに
社会保険労務士との顧問契約について
アドバイスを求められました。
地方中小企業が士業と
顧問契約をする際に
どのような点に気を付ければ良いでしょうか?
電子申請に対応しているか
まず電子申請に対応しているかどうかを
教えてもらいましょう。
なぜ電子申請に注目するかというと
業務のスピード感に直結するからです。
例えば就業規則の改定があったとします。
電子申請してくれれば
あっという間に手続きは完結します。
一方で旧来のように
紙ベースの届け出をする場合、
労基署にわざわざ出向く必要があるなど
印刷、移動などに大きな手間が発生します。
その手間はすべて報酬として
顧問先のコストになるわけです。
今どき電子申請に対応していないのであれば、
率直に言って、
生産性の低い仕事をする士業だと判断できます。
地方中小企業にふさわしい、
効率とスピード感を有する士業なのか。
電子申請に対応できるかどうかで
見極めることが可能です。
報酬体系がわかりやすいか
顧問契約に
どこからどこまでの業務が含まれるのか。
案外、把握していない経営者が多いです。
原因は
・そもそもあやふやな契約を締結している
・報酬体系を共有できていない
といったことが考えられます。
腕に自信のある士業なら
メニュー表はきちんと用意しているもの。
顧問契約でどこまで対応できるのか、
別途報酬が発生する業務は何なのか。
「心当たりのない請求が発生している」
「想定したよりも請求額が多い」
といったことのないように、
報酬体系は事前に確認しておきましょう。
また合同事務所に所属している士業の場合、
業務内容によっては第三者が入ってきます。
給与計算は別会社、
手続き業務は社会保険労務士個人、
といった具合に
請求が分かれることがあるのです。
士業個人と顧問契約を締結したつもりでも
第三者と取引することになりかねません。
信用調査などを行い、
リスクを回避するようにしましょう。
Web上で自己開示をしているか
ある関与先での事例です。
顧問契約している士業に
手続きミスなどが続き、
不満を抱いた経営者が
ネットでその士業を検索しました。
ところが何も情報を得られないのです。
ホームページ無し、
SNSでの発信も無し。
知人からの紹介で
顧問契約をしていましたが、
冷静になって考えると、
その士業について
何も知らないことに気付いたのです。
仕事ぶりに問題が無ければ
気になりもしないことですが、
立て続けにミスが続くなどすると、
まともな社会人であるのか
徐々に心配になってしまうわけです。
今どき情報発信していない士業は
古くからの顧問先を
多く抱えているベテランくらい。
なにかWeb上で
自己開示できない理由があるのでしょうか。
この関与先は
士業に任せていた業務を
徐々に内製化することに決めたそうです。
士業と顧問契約する前にも後にも、
地方中小企業が
目配りをすべきポイントがあります。
良きパートナーとなってもらい、
事業の成長に貢献してもらうためにも
士業とは適度な緊張感を持って
お付き合いしましょう。
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