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コラム

知人が資格試験に挑戦している話

古くからの知人が資格試験に挑戦しています。
昔の私と重ね合わせて考えたことを書いてみます。

資格試験の本質とは何か

資格試験の本質はなんでしょうか。

試験勉強をし、合格したからといっても
100%の実務遂行能力が
担保されるわけではありません。

試験勉強で得られる知識と、
実務の現場で必要な能力は
必ずしもぴったりと重ならないのです。

例えば、
社会保険労務士試験で
労働基準法だとかを勉強したとしても、
労働組合との団体交渉に臨もうとする
地方中小企業に必要とされる
心構えみたいなものを学ぶことはできません。

また、
同様に労働安全衛生法を学んだとしても、
従業員が心のバランスを崩した時に
どのような最悪に備えるべきで、
そしてどのような選択肢があるかを
リアルに把握できることはありません。

もちろん試験勉強により、
法的な知識は得られるわけです。

ただそれらは、経営判断の軸にはなり得ますが、
実務的な「今、何をすればよいか」が
直接くみ取れるわけではない、
という趣旨の話です。

であるならば、
資格試験とは何なのか?

私は
同業者コミュニティに加入するための選抜試験
だと捉えています。

つまり
ギルド加入への選抜テスト
です。

こう割り切れれば、
試験勉強も合理的に進めやすくなるかと思います。

必ずしも実務に必要な知識だけを
問われているわけではなくて、
ギルド加入に値する人かどうかを
見極めようというのが資格試験の本質なのです。

地方中小企業の社長が社会保険労務士試験を受けた理由

私が社会保険労務士試験に挑戦した理由は
江戸時代から続く家業で
健全な労使関係を築くためでした。

当時、労使で揉めていた
というわけではありません。

逆に、業績が窮境に陥りつつあるのに

「いつかは百貨店の売上は戻るだろう」

「うちには○○銀行がついているから大丈夫だ」

「創業家の隠し資産があるから」

と根拠のない楽観論が広がっていました。

このような状況下で
給与・賞与の削減などを提案するためには
適度な緊張感を持ってもらい、
健全な労使交渉を行う必要がありました。

そのためにも
「経営者自らが労務に関しては勉強している」
という証として、社会保険労務士資格を
取得することにしたのです。

大学の講義室

資格試験の勉強は合理的に進めたいものです

知人が資格試験に挑戦している

知人が2人、
資格試験に挑戦しています。

1人は社会保険労務士試験、
もう1人は行政書士試験を
それぞれ受験し続けています。

今年の試験にも合格できず、
まだサクラは咲いていません。

雇われる立場のままでいると、
いつかは会社を退職することになります。
しかし、自分の顧客名簿を作れていれば、
体力が続く限りは事業を営むことができます。

歳を重ねるにつれて、
詰め込み型の勉強は
難しくなると言う人もいますが、
こればかりは本人の覚悟次第。

資格が何かを保証してくれることはありません。

しかし、人生をより豊かに過ごすための
道具にはなってくれることでしょう。

挑戦できることがあるのは幸せなこと。

ぜひあきらめずに
合格を目指して欲しいなと思います。

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