中小企業支援家が何かを習う効果
ついこの間から茶道を習い始めています。
普段は「先生」と呼ばれることもある私が、
(先生ではなくオカダと呼んでくれとお願いしてますが)
新しいことを始めて考えたことを書いてみます。
褒められるとうれしい
小さな茶道教室に通い始めました。
元々、茶道に縁のある家業にいましたが、
これまでまったく習ったことがありません。
何度か習おうかとも検討したことはありますが、
その度になんだか気後れし、
決断しきれませんでした。
そんなことを繰り返しているうちに、
この春から息子の部活が
週末にも予定されるようになり、
遊び相手がいなくなってしまいました。
家で本を読んでいても、
目が疲れるとやることがなくなります。
そこでいよいよ茶道を始めようと決意し、
えいやと入会。
45歳にして初めての世界に飛び込みました。
私の通う茶道教室は
「みんなで楽しみましょう」という
雰囲気が出ていてとても居心地が良いです。
さらにまったく初心者の私が混じっても
皆さん、暖かく応援してくれます。
特に気分が良いのは、
私が練習していて、もたもたとしていても、
先生はどこか良いところを見つけて
聞こえるように褒めてくれます。
褒められるとうれしい。
当たり前のことですが、
改めて体感することができています。
新しいことを学べる喜び
社会保険労務士という資格を持っていると
同業同士で「先生、先生」と
呼び合う現象に遭遇します。
かねてから滑稽だなと思っていて、
先生と呼んでもらうのは、
自分がサービスを提供している顧客からであるべき。
同業のライバル同士で
先生という呼称をいたずらに使用するのは
単に名前を覚えていないからではないか
とも思っています。
私の場合は顧問先の方に、
「先生ではなく、オカダと呼んでください」と
お願いしています。
話しが少しズレましたが、
士業やコンサルタントとして
仕事をしていると
何かを教えるのが当たり前になります。
先生と呼ばれても何の違和感も感じなくなります。
そんな状態を続けていると
いつしか自分を見失い、
尊大な態度を取るようなことになりかねません。
態度だけならまだしも、
不正に手を染めるような闇に落ちてしまったり。
実際にそうなってしまった人を知っています。
私が目指しているのは
先生として指導や診断を行うことではなく、
経営者が成果を掴み取るための
「踏み台」になること。
その信条を忘れないためにも
自分がどこか知らない世界に飛び込み
何かをゼロから教えてもらう立場になるというのは
非常に有意義なことだと感じています。
今まさに私が茶道教室で学んでいるのは
ゼロから物事を教えてもらう感覚なのです。
支援者にも必要なリスキリング
リスキリングとは
「新しい職業に就くために、あるいは、
今の職業で必要とされるスキルの
大幅な変化に適応するために、
必要なスキルを獲得する/させること」
だそうです。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf
地方中小企業で言うと、
取締役会メンバーのスキルマトリクスを補強したり、
紙ベースの属人的な業務を
効率化するためのDXに取り組んだり、
こういった生産性向上のために必要な学び直し、
あるいは弱点補強をも指すものでしょう。
もちろん、その中小企業を支援する立場の人にも
リスキリングは必要。
単に法的知識を増やしたり、
資格を新たに取るのは
本質的なリスキリングではありません。
私のような中小企業支援家に求められるのは
1.経営者の本質的な困り事を引き出す能力
2.その課題を解決するための知恵とアイデアを生み出す能力
3.そしてその知恵とアイデアを経営者に伝える能力
の3点です。
茶道に限らず
支援業界の外から学べることはたくさんあるはず。
支援能力を高めるために
学び続ける自分でありたいと思っています。
関連記事