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コラム

開業する士業 営業が先か、勉強が先か

開業しようとする士業の悩みは
最初の売上をどのように立てるか。

営業するのが先なのか、
知識を蓄えておくのが先なのか。
私なりに考えてみました。

行政書士への支援事例

ある行政書士の方から相談がありました。

開業したばかりで顧問契約がなく、
どのように顧客を増やしていけば良いか、
一緒に考えてくれと言うのです。

一般的に思いつくのは
・チラシのポスティング
・ホームページを作ってWEB広告を出稿する
・地域の経営者団体などに入会し、
仕事を紹介してもらう
といったところでしょうか。

私が提案したのは
社会貢献活動をし、
地域での認知度を向上させる作戦です。

具体的には
小学校で特別授業を行い、
その様子をメディアに取り上げてもらおう、
というもの。

よくよくお話しを伺うと、
その先生はSDGsに知見があり、
さらにSDGsに関する
カードゲームのファシリテーターを
務めることができるとのこと。

さっそく地域の小学校で
当時まもなく卒業する6年生向けに
SDGsに関するカードゲームを
特別授業として行ってもらうことにしました。

特別授業の様子は新聞2社に取り上げられ、
地域の方から
「行政書士の○○先生は
小学生のために社会貢献活動をしている」
と認知度を高めることができました。

その結果、何が起こったか。
チラシのポスティングなどをしなくても
「どうせ仕事を依頼するなら
行政書士の○○先生に頼みたい」
という人々から仕事が舞い込むようになったのです。

開業する士業に必要な行動

これから開業しようとする
士業に必要な行動は
何よりもまず
「知ってもらうきっかけを作る」
ことです。

さらに言うと、
そのきっかけは
できるだけセールス臭の薄いものが
望ましいです。

「仕事をください」というのが
露骨に表現されているチラシを
地域にポスティングしたとしても、
一般的な反応率は1%に満たないものです。

つまり100枚ポスティングしても
1件問い合わせがあるかどうか。

効率が良いとは言えませんし、
何より自ら
「私は顧客がいない士業です」と
声を上げているようなものです。

見込客を増やすには
まず知ってもらうこと。

そのためには
何より嫌われるセールス臭を薄め、
自然と選ばれる存在になるように
自分の個性と世界観を
積極的に伝えることが必要です。

自分が何者であるのか
どういう経歴を歩んできたのか
何が得意なのか
何が苦手なのか
どのようなことを考えているのか
将来どうなりたいと望んでいるのか


こういったことを開示することで
共感する消費者から
選んでもらえることが可能になります。

逆に言うと、
こちらから自己開示することなく、
都合良く仕事を発注してくれる方は
存在しません。

何者であるのかわからない人に
自分の大事な案件を
任せるわけにはいかないのです。

まずは個性と世界観を発信し、
自己開示をすること。

それがつまり
「知ってもらうきっかけ」に
なります。

団地の集合ポスト

ポスティングよりも先にすべきことがあります

細かい知識は受注してから学ぶ

士業に法的な知識と
実務遂行能力は欠くべからざるもの。

当然、
勉強という名のインプットは
継続しなければなりません。

しかし、
情報発信や営業を疎かにして、
勉強に逃げるのは本末転倒です。

私がよく申し上げているのは、
「細かい知識は受注してから学べ」
ということです。

顧客もいないのに、
受注した後のあれこれを
心配したところで何も始まりません。

まずは自分の
個性と世界観を発信して、
近い将来の見込客に知ってもらうこと。

この活動なくして、
士業の経営の第一歩は始まりません。

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