地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

地方中小企業と社外取締役 理想の関係とは

地方中小企業は社外取締役を
どのように活用すれば良いのでしょうか?

プロパー従業員出身の取締役

ある関与先での出来事です。

経営者とお話ししていたところ、
ある新任取締役にご不満がある様子。

具体的には
従業員の頃と同じような仕事をしていて、
「取締役らしい」動き方が
できていないとのことです。

どうやらその新任取締役は
目の前の業務に忙殺されている一方で、
新規事業への種まきや、
既存事業の改善などに
積極的に取り組めていない模様。

従業員時代と同じ仕事をしているならば
わざわざ取締役にした意味が無い、
というのが経営者の言い分です。

このような現象は、
プロパー従業員出身者だけで構成された
地方中小企業の取締役会で
よく見かける出来事です。

プロパー従業員出身者に多いのが
従業員と取締役の
身分の違いを理解できておらず、
「部長の次は取締役」と
役職を一つ上がった程度の認識。

私が助言したのは
経営者からのミッションを
評価シートで可視化することです。

「取締役にも評価シートが必要なのか」

「取締役に抜擢したのだから
自分で考えて動いて欲しい」

「取締役に教育・研修の
手間を掛けるほど余裕はない」

と多くの経営者は落胆します。

しかし、
役割を可視化してやらないことには
従前と同じ動き方をしてしまう方が
ほとんどなのです。

取締役会への客観的な助言と監督

別の関与先での出来事です。

取引金融機関の担当者が、
融資の申込を処理するにあたり、
資金使途を書き換えて欲しいと
提案してきました。

ざっくばらんに言うと、
審査を通りやすくするために
会社にうそをついて欲しいと言うのです。

この提案を聞いた経営者は
「担当者がそう言うのなら、、、」
と迷いが生じてしまいます。

ご自身だけで判断しきれず、
取締役会に相談を持ちかけました。

私が申し上げたのは
「ささいな嘘もついてはならない」
ということ。
当たり前のことです。

銀行担当者はいつかは異動します。
一方で会社と銀行の取引は継続します。

何が起こりかねないかというと、
融資の際に不適切な記載をした書類が
将来の経営の選択肢を
狭めかねないということです。

一時の方便が
「あの会社は都合の悪い時には
嘘をつく」
という記録として残りかねないのです。

会議室のテーブルと椅子

取締役会の議事録を残していますか?

経営者の耳に痛い助言をできるか

経営者にとって耳の痛い助言は
プロパー従業員出身の取締役には
荷が重いものです。

しかし社外取締役は
このような場面でこそ、
社内外のしがらみに囚われず、
経営者に助言を行うことができます。

形だけを整えて
取締役会を開催したことにしたり、
経営者の判断を無思考で
追認したりするだけならば、
取締役は不要です。

代表取締役1人で十分。

地方中小企業の企業統治を
強みを生かしたままで健全化するには
取締役会の活性化が必要です。

しかしその取締役会は
長年、顔ぶれが変わらないこともあります。

社外取締役を導入することで
取締役会への助言と監督の機能を
取り入れることが可能になるのです。

関連記事

TOP