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コラム

バレエ教室の集客について相談された話

バレエ教室の集客について
友人から相談されました。

差し障り無い範囲で
どのような議論をしたか書いてみます。

従来型バレエ教室のビジネスモデル

多くのバレエ教室は
発表会を開催しているそうです。

子どもや多くの生徒にとっては、
発表会で演技することが目標になります。

さらにその発表会は、
教室の先生、つまり経営者から見ると、
利益を上げる大きな機会だそう。

教室に多くのお金を使っている生徒を
発表会の役や配置で優遇したり、
発表会前の特別練習を実施したりと
あの手この手で発表会を口実に売上を作ろうとします。

さて、これが持続可能なビジネスモデルなのか。

コロナ禍に見舞われたのは
バレエ教室も同じ。
多くの教室では発表会が延期や中止になり、
経営者の体力を奪っていったそうです。

さらに一部の生徒や保護者からは
従来型の発表会ビジネスに対する
違和感も表面化してきているそう。

「発表会で資金集めしたいのが露骨」
「大してうまくない生徒が主役に」
といった感じ。

純粋にバレエを学びたい、
楽しみたいと考える生徒にとっては、
経営都合の発表会ビジネスに
文字通り踊らされていることに
違和感を感じてしまうのは当然です。

情報発信が集客を左右する

バレエ教室の集客には
多くの中小企業と同じく
情報発信が不可欠です。

しかし、この情報発信、
多くの教室が方向性を間違えています。

具体的には
・先生中心の情報を載せている
・教室に通うことのメリットを伝えていない
・継続して発信できていない
といった問題点が挙げられます。

そもそもバレエ教室の主役は生徒。
先生はあくまで引き立て役です。

ところが、自ら情報発信しようとすると
先生自身の経歴と画像ばかりを載せがち。

特にバレエ教室という特性上、
ご自身の見栄えする画像が
ホームページ上に溢れることになります。

また関連して、
教室の指導力ばかりをアピールするのも
見込客にとっては決定打とはなりません。

「先生」に指導力があるのは当たり前で、
それ以上に重要なのは
学びやすい環境にあるか、
生徒を尊重してくれるか、
といった生徒目線のメリットです。

情報発信をするのであれば、
・生き生きと学んでいる生徒の様子
・その裏付けとなる生徒のコメント
を中心に据える必要があるでしょう。

また特に重要なのが
情報発信を継続すること。

教室のホームページを見ると、
年数回の発表会の様子しか
伝えていないところもあります。

発表会よりも重要なのは
日々のレッスンの様子。

いかに豊かな時間を生徒に提供できているかを
継続して発信することに価値があります。

ステージに当てられる照明

発表会ビジネスに固執していると顧客離れを引き起こすでしょう

先生ビジネスを成功させるために

かつては斬新な取り組みだった
「発表会」をテコにした教室運営も
今ではそのセールス臭を敏感に
嗅ぎ取られてしまうようになってしまいました。

もし従来型バレエ教室の経営者が
新機軸を打ち出そうとするなら、
バレエ教室そのものに価値があるのは当然として、
芸術や教養についても
生徒の理解を深められるような仕掛けを用意するのもあり。
定期的に美術館などを見学するツアーを開催するとか、
歌舞伎など日本の伝統芸能に触れる機会を用意するとか。

先生ビジネスを成功させるために必要なのは
売り手の都合を押しつけるのではなく、
顧客志向のメニューを用意することです。

売り手都合のセールス臭にあふれた行動は
簡単に見破られてしまい、逆に客離れを引き起こします。

「バレエを教える」以外の価値を生み出しましょう。

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