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コラム

このホームページをご覧になった方からの感想

このホームページに掲載されているコンテンツを丹念に読んでいただいた方から感想をいただいたので紹介します。


著名な老舗企業14代目であり、その事業譲渡を決断された経営者であった作者の執筆された新聞の連載コラム、雑誌掲載記事、web記事、ブログなどを拝読させていただきました。全体を通して大きな読み応えがありました。経験に裏付けられた言葉には大きな説得力があり、その具体的な内容はもちろん、温かみを持ちながらもきびきびとした文体には前向きな意志が明確に表れています。

人は成功より失敗から学ぶという通り、興味深く有益なビジネス書と考えます。 本作の作者の来歴は怒涛と言ってよいでしょう。誰もが知る和食器販売の「たち吉」14代目として、祖父に将来はお前が社長になるのだよと言われて育ちます。若くして代表取締役となるも業績悪化の歯止めはかけられず、自身の決断で投資ファン ドに事業譲渡し社長を退任。そこから福岡県のビジネス支援のセンター長に転じ、 地元の中小企業を支える業務に取り組みます。現在は独立して開業、社会保険労務士事務所を立ち上げ、地方中小企業の社外取締役や顧問を務めるなどの業務を通して地域活性化に取り組んでいるとのこと。

しかし本作の価値はそうした「経歴」ではありません。経営事業の上澄みを掬ってカタカナの目新しい言葉や美辞麗句を語るビジネス書は数多あり、またその逆を突いた裏側を指南するような書籍も世に溢れていますが、本作はそのどちらでもなく ビジネスの「深部」を懸命に模索しているのが感じられます。深部を本質と言い換えてもよいでしょう。

中小企業支援のコラムは地元企業の米粉パンケーキミックス や加賀の手染め友禅のマスクなどのPR、染料メーカーのIT化ノウハウ、社会貢献型ビジネスなどの具体的な内容を紹介していますが、そのいずれも大企業の論理に依らず、それぞれの事業の目指すべきもの、辿りつきたい地点を見据えてのコンサルテーションと感じました。 

その真摯さを培ったものが何なのかは、創業者末裔たる作者が事業譲渡を決断するまでの経緯から浮かび上がってきます。再生計画は不調で自主再建を断念することとなりながら、従業員の紛糾なし、幹部は最後まで一人も辞めず、決算に一切粉飾 もなかったという、いわばきれいに畳むことが出来たという過程には清廉さがあり、その誠実さが中小企業の労苦と向き合う事にも活かされているのでしょう。毎日ブログを更新すると定めてから一日も欠かすことなく更新されている姿勢にもそれは現れています。

内容も地方の中小企業を活かすという信念が感じられ、説得力があるものです。カタカナ語ばかり使うコンサルは信用ならない、といった話しぶりも面白く、またきれいごとばかりでなく、問題社員にどう向き合うかといった点などかなり踏み込んだことを書いておられ、有効と感じました。「人生にプランBをもて」「経営者はせっかちくらいがちょうどいい」など短い言葉で上手く言い表すのにも長けておられるようです。読んで楽しく、そればかりでなく「利他」という信念が見え、ビジネス書として得られるものの大きいすぐれた作品であり、ぜひ書籍化すべきものと考えます。

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