講演で必ず質問されること
私の講演では家業を事業譲渡した経緯を話しています。
あることについて必ず質問されるので紹介します。
内外情勢調査会の月例会で講演しました
昨日の講演は
内外情勢調査会島田榛原支部で行いました。
内外情勢調査会からは
だいぶ以前にお問い合わせをいただいており、
今年の春に具体化した案件です。
福岡から静岡への移動は
フジドリームエアラインズ(FDA)で。
飲み物と一緒にお菓子も提供されますが、
「お菓子だけください」と言いそびれました。
時間的には当日移動が可能な
ギリギリのスケジュール。
普段はできるだけ余裕を持って
移動するようにしています。
今回はフライトの都合で
当日移動となりました。
講演内容は
・江戸時代から続く家業を事業譲渡した経緯
・中小企業支援家に転身後の支援事例
を90分でお話ししてきました。
いつもの内容です。
スライドは最近微修正したものを
そのまま使用しました。
毎回、参加者の顔ぶれを想像して
手直しをするようにしていますが、
今回は不要と判断。
冒頭に動画を流すいつものスタイルです。
特にお伝えしたかった2点
この1ヶ月で3回の講演の機会があり、
その感触から次の2点を特に強調して
お伝えするようにしました。
まず「老舗」という言葉について。
老舗は長く商売をしているだけで
老舗の地位を得られるのではありません。
長く商売をする過程で、
消費者や世の中の流れに合わせて
しなやかに変わり続けてきたからこそ
存続できているのが老舗です。
さらに言うと、
長く消費者に応え続けたことで、
結果、世の中から老舗と見なされます。
「老舗」という称号は
自分たちで名乗るものではないのです。
次に「新規事業」について。
家業の業績のピークは1991年頃でした。
戦後、法人化し全国の百貨店と取引を開始。
高度成長期の旺盛なギフト需要を取り込み、
最大260億円の売上規模にまで成長しました。
しかしその後、
百貨店業界自体が衰退すると共に
家業も業績を下げ続けることになります。
理由はただ一つ。
次の「金のなる木」を
育てていなかったからです。
老舗が老舗であるためには
常に新規事業に挑戦し続けることが必要。
当時の家業にはそのような発想はなく、
「いつかは百貨店の売り上げは回復するだろう」
という正常性バイアスに囚われていました。
事業の持続可能性を担保するためには
常に新規事業に挑戦する必要があるのです。
必ずいただく質問に対する答え
今回の講演では
ある製茶工場の社長が質問してくれました。
「窮境に陥った原因が
新規事業に取り組まなかったことだとわかった。
ではいつ頃に新規事業に取り組めば良かったと考えるか?」
このような質問でした。
このところどの講演でもいただく質問です。
私の答えは
「今から振り返れば、
業績が成長過程にある時にこそ、
新規事業に取り組まなければならなかったと
考えている」
「百貨店事業の強烈な成功体験に縛られ、
常に新規事業に挑戦する必要性を
理解していなかった」
というものです。
私のふり返りに
どれだけの意味があるのかはわかりません。
でも質問をもらったからには
「常に新しいことに挑戦し続ける姿勢が
事業の持続可能性を最も力強く担保する」
と繰り返しお伝えするようにしています。
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