地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

050-3557-7157

コラム

自己開示しなければ支援してもらえない

長く商売をしていれば
第三者へ支援を求めることもあります。

どのように心掛ければ
支援の実現可能性が高まるのでしょうか。

危ないスタートアップの特徴

先日の日本経済新聞にこのような記事がありました。

(企業信用調査マンの目) バイオ新興テラ破産、ガバナンス不全:
2022年10月13日 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65064890S2A011C2X12000

記事中では

「危ないスタートアップの主な特徴」として、5つのポイントを紹介しておきたい。(1)売上高よりも資本金・赤字額が多い状態が長く続いている、(2)創業者が会社から離れ、代表者が頻繁に交代している、(3)社名や主力事業をころころ変更している、(4)会計監査人(監査法人)が頻繁に交代している、(5)ホームページに社長の顔写真がない。

と挙げられていて
興味深く読ませてもらいました。

特に
「ホームページに社長の顔写真がない」というのは
私も同感でして、
自己開示できないような後ろめたさがあるのかと
勘ぐってしまいます。

取引先を支援するかどうかの判断基準

家業の茶わん屋は
多くの仕入先に商品を納めてもらうことで
ビジネスモデルが成立していました。

主要な仕入先だけでも約60社。
当然、業績にはそれぞれ波があります。

ある産地商社から支援を求められました。
資金繰りが厳しくなってきたというのです。

その会社との取引高は決して大きくなく、
必ずしも売れ筋の商品ばかりを
納めてもらっているわけではありませんでした。

しかし私は自社の業績が厳しい中でも
支援を実施することに決めました。

具体的には
・支払い条件の優遇
・発注数の増加
を社内にそれぞれ指示したのです。

なぜ支援を行うことに決めたのか、
それは産地商社が
内情をすべて開示してくれたからです。

業績が窮境に陥っていることを
外部に伝えるのは勇気がいることです。

ましてや取引先に支援を要請するのは
間違えたら「やぶ蛇」にもなりかねません。

ところが
その産地商社の社長は
私を信用してすべてを任せてくれました。

こうなると私も
同じ業界に属する者として、
さらには規模はともかく、
家業を支えてくれている仕入先に対して
支援をためらう理由はありませんでした。
当社の取引銀行から理解を得るのは大変でしたが、、、。

京都市内の銀行

銀行に行く日は紺のスーツに白いワイシャツと決めていました

銀行に予定外の支援を依頼した経験

社長に就任してから業績を下げ続けた私ですが、
当然、銀行に支援をしてもらっています。

その際に心掛けていたのが、
すべてをさらけ出して、
かつ、言葉に出して支援を要請すること。

例えば予定外の借り入れをお願いする時は、
「先月までは問題がなかったのですが、
売上の見通しが
報告していた時より悪化しました。
ついては前回面談時には不要と申し上げていた、
予定外の借り入れをさせてもらいたいです。
ぜひご検討お願いします」
といった感じで銀行担当者に話していました。

こうして取引していた各行からは
最後まで
厳しくも熱い支援を受けることができました。

都合の悪い事実を隠したり、
事情を汲み取ってくれと言わんばかりに
「助けてください」の一言を添えなかったり。
それでは銀行はそもそも審査すらしてくれません。

先日、
某銀行の頭取とお話しする機会がありました。
「我々金融機関は中小企業に
もっと向き合わないといけない」
と言っていましたが、
その前に地方中小企業から自己開示しないことには
関係性を築くことはできません。

地方中小企業が味方を増やすには、
自分たちが何者であるのか、
そしてどのような状況に置かれているのかを
積極的に開示することが必要です。

関連記事

TOP