地方中小企業に必要な人事評価
目標設定がなければ従業員は動けない
ここ最近、立て続けにご依頼があるのが
地方中小企業の
人事評価制度についての相談です。
社会保険労務士だからといって
お声がけいただいているわけではないようで、
私と経営課題について議論する中で、
「従業員の不満が溜まっているようだ」
「つまらないトラブルが増えている」
「管理職が期待に応えてくれない」
「そういえば人事評価をできていない」
「経営者の裁量で賞与を決めている」
といった課題が浮かび上がります。
こういった地方中小企業の多くは
管理職を含めた従業員に
目標設定をすることなく業務に就かせ、
その結果、
従業員が思い通りに動いてくれないと
経営者が悩んでいます。
まずは適切な目標設定が必要です。
何をすれば評価されるのか提示されなければ、
従業員は目先の業務に没頭するしかありません。
目標も課されていないのに、後から
「もっとこういった業務をして欲しかった」
と言われても困惑するしかないのです。
シンプルな目標設定が重要
私は2017年から2022年まで、
地方自治体の外郭団体が運営する、
ビジネス支援センターで
センター長を務めていました。
採用直後に行政の担当者と話したのが
まさに目標設定についてです。
私からは以下のように話しました。
「細かいKPIを設定するならそれで結構です。ただし、そのKPIを達成するために全力で動き、他のことには注力しませんよ。あなた方が本事業で生み出したい成果は何ですか?」
こうして話していると、
行政が求めているのは突き詰めれば、
「地方中小企業の売上アップ事例」
だということがわかりました。
シンプルに目標設定してくれれば、
あとは満足してもらえる成果を生み出し続けるのみです。
国の交付金と市の予算で運営されている施設でしたので
市民の誰もが納得してくれるような
売上アップ事例を生み出すことに注力しました。
2017年に中小企業支援家に転身してから、具体的にどのようなご支援をしてきたのかをまとめました。 ※メディアに支援事例として掲載されたものだけを抜粋しています コンサルティングの主役はあくまで事業者です。私の基本的な立ち位置は経営者のための「踏み台」のようなもので、行動するのも成果を得るのも…
その結果、
雇用契約の更新を3回し、
行政のプロジェクトとしては
異例の5年超もの間、
センター長を務めることになりました。
地方中小企業にこそ必要な1 on 1
コロナ禍で地方中小企業にも
リモートワークが普及しました。
一方で対面形式での面談が
激減したとも聞きます。
地方中小企業の経営者に
改めてお勧めしているのが
1 on 1、
つまり上司と部下の1対1の面談。
「そういえば最近やっていないな」
「コロナ前まではやっていたのだけど、、、」
こう話してくれた経営者がいました。
地方中小企業に
精緻な人事評価制度の運営は困難です。
また絵に描いた餅のような制度を
導入したとしても意味がありません。
しかし、
生産性を維持向上させるためには
目標設定は不可欠。
そのためにも、
1 on 1で
従業員との対話を始めましょう。
関連記事