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コラム

地方中小企業の経営者に必要な覚悟

経営者になると日々さまざまな事が起きます。
それらはすべて経営者の責任です。

経営者の責任

経営者は法人の代表です。

営業時間外だから、
報告を受けていないから、
就任前の出来事だから、
と何かができないことに対し、
言い訳することはできません。

私が家業の代表取締役を務めていた時には
会社の過去も含めて
自分が責任を負っているつもりでいました。

社長在職中の不祥事

仕入先様との取引形態について、
下請法に違反しているとのことで
公正取引委員会から勧告を受けたことがあります。

当時の新聞を引用すると

たち吉が下請法違反
公取委 受領拒否で是正勧告

陶磁器販売大手「たち吉」(京都市)が、納入期限時に下請け業者からの商品受け取りを拒んだなどとして、公正取引委員会は二日、下請法違反(受領拒否、代金減額)で是正を勧告した。勧告の公表を始めた二〇〇四年以降、受領拒否での勧告は全国で初めて。

公取委によると、たち吉は自社ブランドとして販売する製品を下請けから受領する際、発注書面に記載した納入期限時に一部の商品の受け取りを拒んでいた。拒否したのは、昨年十一月末時点で二十六業者計約三千八百五十万円分に上り、数年間受け取らないままの商品もあった。

公取委の調査に、たち吉は「自社の在庫が増えないように保管してもらうのは、商慣習として問題ないと思っていた」と説明している。

2012年3月3日 中日新聞

といった報道がなされたものです。

私が代表取締役になる前からの取り組みでしたし、
何より、仕入先様とは長年、
合意の上で行ってきた取引形態です。

しかし、
会社として主張すべきを主張した上で
行政から処分を受けたからには
すべては代表取締役の責任です。

取引金融機関や
仕入先様への説明を行い、
返金すべきものはすべてお返しし
事態を終息させることとしました。

事情をよく知っている方からは
「社長になる前からの事案で
勧告を受けるとは災難ですね」
と言われましたが、
代表権を持ったからには
過去を含めた責任を負うのが務めなのです。

スマホを持つ男性の手元

経営者に「繋がらない権利」はありません

経営者に求められるレスポンスの速さ

ある創業まもない社長と
やりとりをした時のことです。

しばらく返事をもらえずにいたところ、
「お休みをいただいていたので
メールを見ていませんでした」
と言います。

何か事情があったわけではなく、
純粋に
「休みだから仕事の連絡を気にしなかった」
そうです。

休みをいつ取るのかは個人の自由ですし、
メールにいつ返事するのかも同様。

しかし、
経営者であるからには
連絡が途絶えるというのは
基本的にはあり得ないことです。

特に創業まもない時期で
事業を軌道に乗せようと
四苦八苦されている社長でした。

それまでの雇用されている立場であれば、
休日に「繋がらない権利」もあるでしょう。

しかし、
法人の代表権を持ったからには
言い訳は通りません。

事業に全責任を負い、
さらには取引先に対しても
一定の責任が生まれます。

経営者となったからには
いつでも連絡がつくように
心の準備と
連絡手段の確保をしておきたいものです。

役員賠償保険に加入しておく

一方で覚悟だけでは
避けられないのが第三者からの訴訟リスクです。

地方中小企業の経営者も
訴訟リスクとは無縁ではありません。

退職後にトラブルとなった元従業員から
訴えられてしまうこともあるでしょうし、
取引先から訴えられることも十分にあり得ます。

訴訟になってしまったのであれば
弁護士に対応を任せることになりますが、
必ずしも100%勝てるとは限りません。
ほとんどの事案では裁判所から
和解を求められることになるでしょう。

地方中小企業の経営者、取締役会メンバーも
役員賠償保険に加入し
損害賠償金の支払いや訴訟費用に備えましょう。

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