地方中小企業が持続可能性を高めるための踏み台になります

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コラム

講演をした後に考えていること

今日はオンラインで講演を行いました。

先週が90分、今回が50分。
時間が短いので心配でしたが
うまくまとめることができました。

大学の授業でお話ししました

今日の講演は客員教授を務めている
青森大学の授業の一環でした。

経営者向けの講演とは違い、
経営者としての私が当時、
どんなことを考えていたかに
重きを置いてお話ししました。

成功体験ばかりが目につく世の中で、
ましてや地方中小企業の破綻事例などは
なかなか表に出てくるものではありません。

当事者が当時を振り返るとなると
さらに数は少ないでしょう。

私自身にとって
当時のことをお話しするのは
それなりに心の負担があります。

それでもこの経験が
どなたかのお役に立つのであれば考え、
がんばってお話しさせてもらいました。

資料が残っているからお話しできる

家業の代表取締役に就任したのが2010年、
投資ファンドに事業譲渡したのが2015年。

もう10年以上も前の出来事をお話しするわけで、
最近、感じるのが、資料に基づいているから
正確に事実をお伝えできているということ。

資料として手元にあるのが、

  • 当時の社内資料
  • 業務関係の出来事を綴った日記
  • いつ誰と何を話したか書いてある手帳
  • 新聞記事

などです。

また、
講演やインタビューを元に
記者さんまとめてもらった記事もあります。
いわば二次資料です。

こういった資料が手元にあるからこそ、
時を経ても事実をそのままに、
今もお伝えすることができています。

人の記憶というのは当てにならないもので、
特に家業を事業譲渡した話などは、
ひょっとしたらあっという間に
忘れ去ってしまったり、
都合の良い出来事しか
記憶に残らないのかもしれません。

ところが
元になる資料があり、
さらに毎回の講演資料も残しているので、
都合の良い記憶のみへの変化
などに惑わされることなく
今でも当時のことをお話しできるわけです。

地方中小企業の経営者にお勧めしたいのが、
上記のような資料を手元に残しておくこと。

業務上の出来事を綴った日記を書いたり
誰とどんな話をしたかを手帳に残したりするのは
貴重な記録となります。

ご自身が過去を振り返る時だけでなく、
後継者が過去から学びを得るのにも役立つでしょう。

講演のスクリーンと演台

先日はひさびさにリアル会場での講演でした

「ポートフォリオ」があるから興味を持ってもらえる

私がこうして講演などを始めたきっかけは、
日経ビジネス「敗軍の将、兵を語る」という連載に
取り上げてもらったことです。

家業を事業譲渡した経緯について
「興味を持ってくれる人がいるのだな」
というのが当時の感想でした。

自分の人生は
誰しも自分にとって当たり前の人生です。
第三者から関心持ってもらうことで初めて、
「あぁ、この経験はどなたかのお役に立つのだな」
と気付くことができるわけです。

私の場合はそれが
日経ビジネスから取材を受けたことでした。

またその後、
日経トップリーダー「老舗たち吉を売った理由」
日本経済新聞「私見卓見」
日経電子版「スキルアップ塾」
単行本「なぜ倒産 令和・粉飾編」
ツギノジダイ
西日本新聞「商いのヒント」
といった媒体に取り上げてもらったり、
寄稿をする機会を得られました。

こうしていわば「ポートフォリオ」が
豊富に用意できているからこそ、
顧問先とご縁が繋がったこともありますし、
講演などの仕事を受注できたこともあります。

自分が何者であるのか、
どんな道を歩んできたのか、
どんな価値を提供できるのか。

口ではいちいち説明することが困難であっても
こうしたポートフォリオが代わりに
役割を果たしてくれています。

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