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コラム

初めての土地で顧客名簿400件を作った方法

2017年から2022年3月まで、
地方自治体の外郭団体で
ビジネス支援センターのセンター長を務めていました。

まったく縁もゆかりもない土地で
どのように顧客を増やしたかを書いてみます。

来所者ではなく「顧客」である

公的支援機関の立ち上げと同時に、
責任者として採用してもらいました。

募集要項に書かれていた業務内容は

 相談者が抱える売上拡大や海外進出等の各種課題等の相談内容について、相談者
の目線に立って具体的な解決策を提示するとともに、フォローアップを実施します。

というものでした。

要は、
地域の中小企業の売上アップを実現せよ
というわけです。

国からの交付金と、
税金を原資にしている施設。

具体的なわかりやすい成果を上げなければ、
存在意義を示すことはできません。

成果、
つまり売上アップ事例を生み出し続けるためには、
常に利用者が途切れない状況を
作らなければなりません。

そこで私は
中小企業を経営しているのと同じ感覚で、
施設を運営していくことにしました。

具体的には、
売上アップを実現するための、
無形のサービスを提供する
コンサルティング事務所の社長のつもりで、
課せられた責任を果たしていこうと考えたのです。

そのために重要なのは
顧客志向で活動すること。

図書館や公民館のように、
利用者を待ち構えているのでは、
役所と同じです。

利用者ではなく「顧客」を増やすのです。

行政の考える手法は通用しない

行政の担当者が考える、
立ち上げ間もない施設の
利用者を増やすための手法は

・チラシを作って各戸に配布する
・商店街の事業者を廻って名刺を配る
・様々な団体の会合で挨拶する

といったものでした。

特に、
商店街の事業者を廻るように、
何度も厳しい口調で促されたものです。

ところが私は、
この手法には懐疑的でした。

そもそも
こちらから頭を下げて、
「個別相談に来てください」
などと言ってしまうと、
いかにも売れていないコンサルタントのように
思われてしまいます。

こういった、
満足な効果が生まれないどころか、
逆効果になりかねない方法を
平気で押しつけてくる
行政の担当者には苦労しました。

テープカットの様子

公募で選ばれ、縁もゆかりもない土地で公的支援機関の責任者を務めました

個別に関係性を築くのが王道

私が行った手法は、
一度でも会った方と
主にFacebookで繋がり、
個別に関係性を築いていくものです。

例えば
「今朝の朝刊にこんな記事がありました」
「こんなアイデアを思いついたのでお伝えします」
「今度のセミナーは○○さんに役に立つと思います」
などと個別に連絡を繰り返すのです。

連絡するのは
役に立つ情報の提供が目的です。

個別相談に来てくださいなどと、
安っぽいセールス(=売り込み)
を展開することはありません。

地域密着型の事業を行おうとするからには、
私個人を知ってもらい、
さらには私と関係性を深めることに
メリットを感じ取ってもらうことが最も重要です。

こうして事業者との個別の関係性を深め、
その後の個別相談を経て
売上アップの事例が蓄積されていくと、
顧客名簿は一定のペースで増えていきました。
※コンサルティングの結果、売上アップを実現するのは当たり前の話です

縁もゆかりもない土地で、
400者の生きた名簿を作ることができたのは、
SNSだとかSEO対策の成果ではありません。

個別の事業者の懐に飛び込み、
それぞれと関係性を深め、
私と対話するメリットを
実感してもらうことができたからこそ、
多くの相談者で賑わう
公的支援機関に成長させることができました。

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